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| 〜佐山さんのフェイバリットピアニストと言えば、やっぱりピーターソンですか。ジャズが好きになるきっかけだったとか? 「一番最初は、中学2年生の時に偶然TVで観た映画『グレンミラー物語』だね。ピアノは子供の頃から習っていたので、見よう見まねでジャズを弾いてたんだけど、ある日、ジャズが好きならって言って、親戚のおじさんがコンサートに連れていってくれた。なんと、大阪フェスティバルホールにオスカー・ピーターソンが来ていたんですね。」 〜すごい話ですね。 「うん。そのおじさんには今でも感謝している。コンサートの内容は、全然憶えてないけれど、客席の一番前の柵のところにずっと立っていたのは憶えている。曲もわからないし、どうやって演奏しているかもわからないんだけど、スイング感の凄さにシビレまくったね。あんまり興奮しているので、おじさんがその帰り道に、坂根楽器というレコード屋で、『We Get Requests』というアルバムを買ってくれたんだ。それから3年間、毎日4回ずつは聴いた。今、家に3枚あるよ。」 〜出逢いから鮮烈だったんですね。 「それから、もう一枚欲しくなって、坂根楽器に行って相談して、薦められて買ったのが『Night Train』。これも1日4回ずつ聴いた。併せて1日8回ですね(笑)」 〜なるほど。また坂根楽器で買ったんですね(笑) 「そう、坂根楽器はポイントなんだよ。余談だけど、プロになってホトケ(永井隆)と知り合って、話していたら、ホトケも坂根楽器で、ツケで随分レコード買っていたらしい。」 〜レコード屋さんは大事ですよね。坂根楽器は日本音楽界の貢献大ですね。偉大なるジャズピアニストとブルースシンガーの誕生に力を貸してくれたんですね。 「もう一つ余談だけど、ポンタさんは、そのころ大阪のDUKEというライブハウスの上に住み込んでいて、やっぱりピーターソンにシビれていたらしいよ。」 〜面白いですね。ところで、今回のお薦めアルバムのお話は? 「この次なんだ。1日4回ずつ2枚のアルバムを聴きながら、高校生になりました。高校に入ると、先輩にジャズ喫茶に連れていってもらうようになります。あししげく通った神戸の『さりげなく』というジャズ喫茶でかかっていたのが、このアルバムなんだ。当時は廃盤で手に入らなかったので、店に行く度にかけてもらっていた。そのうち、俺が行くとかかるようになった。」 〜廃盤だったんですか? 「このアルバムは、オスカー・ピーターソンの中では、知られていない部類だった。東京に出てきて、浪人時代に、お茶の水のディスクユニオンで見つけたんだ。でも、5000円!」 〜当時の5000円ですか! 30年近く前ですよね。 「仕送りが2万円なのに、5000円。でも買ったね。そしたら、その1週間後に名盤復刻シリーズとかいって1800円で発売された。悔しかったね。」 〜思い出深いアルバムなんですね。佐山さんとしては、ピーターソンの中ではやはりこのアルバムが一押しですか? 「そうだね。ともかく、みずみずしいんだ。オスカーピーターソンのスイング感の原点があると思う。レイ・ブラウンも若いし。初期の、といっても30代だと思うけれど、後期にはない“ちょっとやり過ぎちゃった感じ”があるのが、ものすごくイイ。ピーターソンは若いときから巨匠って感じだったから、こういうアルバムは、なかなか珍しいんだよね。」 〜佐山さんのファンには、自分でもピアノを弾いたり、ピアノを教えてたりする方が多いそうですが、お薦めするアルバムは他にありますか? 「女の子には『We Get Requests』で、男の子には『Night Train』だな。ピーターソンなら、この2枚も外せないでしょう。俺が1番目と2番目に聴いたアルバムだし。」 〜それぞれ、お薦めのポイントはどこですか? 「そうだな。『We Get Requests』はスタンダードナンバーをピアノトリオで、とても洒落たアレンジでやっている。演奏もちょっと押さえ気味で、音も綺麗で聴きやすい。それでいて、スイング感は素晴らしいので、ジャズの入門編としては最適でしょう。」 〜『Night Train』は? 「このアルバムは、表面には記されてないけれど、ブルースアルバムでもあるんだ。ジャズになったブルースなんだけど、全曲が、12小節スタイルのブルースなんだ。だから、ブルースのいろんなやり方が勉強にもなる。俺は若い頃は、ロックやブルースには興味が無くて、ほとんど聴かなかったけど、プロになってから山岸潤史やホトケなんかとセッションしても違和感がなかったのは、このアルバムを聴き込んでいたからだと思う。ブルースマンにもブルージーなピーターソンのファンは多いよ。ジャズピアノに興味がある人は、オスカー・ピーターソンから聴くことをお薦めするね。」
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