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| このアルバムはね、一昨年録音して、去年の頭に発売したもの。 彼はフュージョンのスターで、T-SQUARE(日本のトップフュージョンバンド)の元メンバー。そこで98年までフロントとして活躍していたのね。楽器は主にSaxを中心にやっていて、自身も多くの曲を書いていた。そんな彼は98年バンドをやめ、ソロで活動を開始。それからビクターに移籍して、何枚目かにジャズアルバムをやりたいってことで、リズムセクションがPonta Boxで一緒にやったんだ。 これがいいんだわ、すごく。アグレッシブなんだ。 曲もオーソドックスな手法なんだけど、今まで聴いたことのないようなサウンドをしている。彼は何をやっても同じ感じ、本田色があるんだよね。すごいオリジナリティだよ。ポンタ氏や俺は、譜面には強いんですよ。大概の譜面は見てその場で弾けちゃうわけね。 それが、初めて2人ともてこずった曲があったの。で、メロディーがあれば、リズムはついていきやすいでしょ、ってことになって、彼がサックスだけで譜面見て、つるんと吹いちゃったんだよ。彼が吹いた裸のサックスにドラムがのって、俺のピアノを合わせて、バカボンがちょっとだけてこずりながらも、2人のを聴いて、やる。そしたら、今度はその3人のプレイの上に、本田君がサックスをのせてやって、最高なものに仕上がった。 「Jiao!」って曲なんだけどね。拍子が変拍子でころころ変わっていく。後ろの3拍がふくらむとか、ふくらんだり縮んだり、拍子自体のニュアンスが難しい曲だったね。ほかのは曲はみんな「せーの」、で一発で録れたからね。だいたい、メロディ→ドラム→ピアノ・ドラムという順番だとやりやすい。あの時は、彼がサックスひとつでみんなに曲を解説できるように吹き、吹いたら吹いたで波にのったり逆らったりするようにも吹け、すごいなぁ、ってね。 聴いて分かることは自分で弾けるものだけど、彼のプレイは聴いて分かったのに、自分が弾けなくてね。すごく悔しかった。でもある意味、勇気をもらっちゃったのね。俺ももっと頑張ろうってね。次の年からはメトロノーム使って練習するようになったもんね。遅いんだけど(笑)。 普通はプロになる前にそういう練習はしなきゃいけないよ。
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