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| 昔ギャラの安い学生バイトを探していて、吉祥寺の「アウトバック」っていうレストランみたいなジャズ喫茶で働くことになったんだ。そこで昼間は飲んで、夜は飲んだり弾いたりしていた。ある時、仕事が休みの日にアウトバックでにいた時に、この「My Spanish Heart」を初めて聴いた。 「アルマンドのルンバ」って曲にうぉーっと思ってね。こりゃーいいやっ何なんだろうって早速調べたね。400円の勘定払って、曲が終わったらパッと帰って、15分かけて家まで着いて、ピアノで思いっきり弾いた。 タイトルやジャケットの通り、ラテンの血が流れているチックの、スペイン=ラテンのりなアルバムなんだけど、ここでもいろいろなキーボードを駆使したりと、フリースタイルなチックらしさが現れている。キーボードマガジンでチックさんにインタビューするという企画があって、インタビュアー佐山雅弘として彼にいろいろ聞いたことがあるんだ。そこで彼の音楽性?みたいなものに触れられた。譜面に意味はない、って言うんだよ。こう歌おうとかこう弾こうとかあれこれ考えない。 ただやりたいことをやろう、という姿勢。゛Play only what you hear゛座右の銘ね。好きなことを好きなようにやる、って言っても、ミュージシャンとしてさ、聴いてくれる人がいるという発売の場で、やりたい放題やってもいいのか?って問題もある。でもね、チックさんの話を聞いたり、彼の音楽を聴いたりして、思ったね。いい演奏でも悪い演奏でも結果を受け入れる。自分がやったことなんだから自分でどれだけ認められるか。 全てを受け入れる覚悟があるなら、何してもいいのでは?ってね。自分が何をしたかを受け入れることがアーティストの第一の使命、かな。チックはそのへんのに至るまでが素晴らしい。フリースタイルの音楽を追求した人だから。 「ARC」や「is(?)」でも分かるけど。いつもバキバキで瞑想的なことが好きな人。過去なんか×、関係ないって人なんだよ。常に新しいものに向かっていく。「Now he says Now he sobs」なんて出した時も、ジャズ界では一世を風靡してさ、これはすごいぞって騒がれて。そうしたら「ARC」とかまたフリーの匂いのする、がらっと違うものをやる。一般の人で好き嫌いが分かれるのも、そういう展開についていけない所があるのかもしれないな。チックの多面的なところにね。
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