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| 映画音楽としては、ウェストサイドストーリーも出しているけど、それは曲がバーンスタインということもあって、すごく凝っている。こっちのほうがもっと力が抜けている感じ。これぐらい抜けている方がいいんだよな。このアルバムは普段よく聴くの。夜にたまたま家にいて、酒を飲むっていう時は、レコードプレイヤーでこれをかけるね。レコードは音がやわらかくてすごい好きなの。ちょうどいい時間で終わるし、現代人の生理にあっている気がする。今はお店とかでも音が流しっぱなしでしょ。じっくり聴くとつまらなくて、聴きながすにはジャマな音楽が多いので嫌。 「一晩中踊れたら」って曲。 ぽつぽつ弾いている、この間がたまらない。空いている間にずんずんと4ビートが流れている。流れている4ビートがいい。ビートがいい=時間の流れがいい。テーマだ、ソロだっていうのも、結局それを増幅させる役割であって、基本はビートの運びなんだよね。ピーターソンは間引いた単音がいいんだ。1小節に1コ弾いても、4拍分のスイングしている。「あの子になれた」って曲はきれいなバラード。きれいな和音。 このアルバムを聴いて、映画を思い出す人もいるでしょう。映画と全然違うサウンドなのに映画の感動がよみがえったりする。はたまた、映画とはまったく関係なく、音楽そのものに感動する人もいるでしょう。サントラとはまた違う、新たな感動があって、いいね。ちょっとした隙間に、ジャズのジャズたるものがあるの。 ピーターソンはものすごい数のレコードを出している。ウェストサイドストーリーで1枚出したり、コール・ポーター集とか出したり、ブルースばかりの「ナイト・トレイン」出したり。いろいろな題材に挑戦できて、その中で、常に自分の色も出せて、それがすごいと思う。 チック・コリアはまたタイプが違って、10枚ぐらい音楽史の変遷のようなものを出したりとかね。チックは自己プロデュース力が強い。ピーターソンは年代も古いし、興業主に引っ張られるタイプの仕事の仕方。キース・ジャレットは芸術性が強い。内なる声に耳を傾けつづける人。ブレーキ?は余裕のある感じ。ほれ、活きのいい奴やってみんかい、って若いもんに声かける感じね。 マイルスはもっともっとクール。バンドを変え、世の中を変え、自分は変わっているようでいて変わらない。ハンコックは友達で変える人。ポール・ジャクソンとかハービー・ネイソンとか友達を呼んで、セッションしているうちに、自分を変えていく。自分の責任として看板をとることで認知されていく。 こう考えてみると、人それぞれいろいろなスタンスがあよね。ピーターソンに対しては、曲や和音のフレーズなんかにももちろん感動する点はたくさんあるけど、やっぱり、その表現を続けていくさま、足跡をのこしていくさまに憧れるね。
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