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現代ではとにかく癒しが求められている。 癒される音楽、癒されるアロマテラピー、癒されるマッサージ、癒されるおふくろの味、癒されるグラビア写真、癒されるタマちゃん、癒される田中さん、癒される緒川たまき・・・etc。 みんな癒されたいし、僕も癒されたい。けど自分は何に疲れているのか、何でそんなに癒されたいのかがたまにわからなくなる。供給過剰な癒しと、疲れがたまる一方の社会を生きる僕らはいったい何なんだろう。そして、僕の上司はバブル時代を逆恨みしながら頭脳パンをかじりつつ、その上司に説教された僕は浪人時代を思い出しつつ、カロリーメイトフルーツ味のかけらを歯にくっつけたまま、来る日も来る日もサービス残業を続けているのである。 で、ここで紹介させていただくケイト・ブッシュは、実は癒しとはあんまり関係ない。少なくとも、今巷にありふれている、ある種の諦めにも似たごまかしの癒しとは全く次元の違うものである。この人の独特の世界は今の社会ではあまり感じられない精力で満ちあふれているし、題名のとおり優美で官能的でもある。どこか狂気を帯てすらいる。種を少し明かすと、さんまの「恋の空騒ぎ」で流れるあの歌声は彼女のものなのだが、ここで紹介する一枚における彼女の歌声は、それよりも年を経た深みらしきものを感じる。また、この人の作品の中では最も一般的に親しみやすい一枚ではないかと思う。 だからもし、ありふれた癒しに"疲れている"のなら、この人のような音楽が丁度いいのかもしれない。 まあ何はともあれ、一遍ケイト・ブッシュに抱かれなさい。それでわかるから。
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