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ラヴェル:ピアノ曲全集 / パスカルロジェ
2003.10.22 UCCD-3224 ¥ 2,900 (税込) CD
ソナチネ / 優雅にして感傷的なワルツ / クープランの墓 / 夜のガスパール / 前奏曲 / ハイドンの名によるメヌエット / ボロディン風に / 古風なメヌエット / 亡き王女のためのパヴァーヌ / シャブリエ風に / 鏡 / 水の戯れ / マ・メール・ロワ 


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私が予備校時代に知り合った友人が東京にいます。
 彼はとめさんとか言われていますが寡黙な人間でした。
 彼はシナリオを書きながら、東京に残り夢を実現するために
 執筆を続けています。彼と出会いは随分前になります。

  彼は予備校で私に突然声をかけてきました。私のカードケースに
 ラヴェルのレコードジャケットが入っているを見つけ、
 私に声をかけてきたようでした。
 「ねえ。ラヴェルを聞くの?ドビュッシーは聞かないの?」
 私はたまたま入れていただけで、ラヴェルも聞くけれど、
 当時はローリングストーンズをはじめとしてピンクフロイドや
 ビートバンドの音ばかり聞いていました。

 それ以来、彼との縁は途切れていたのですが、私も東京に出て、
 バンド活動をやりはじめたとき偶然、江古田で逢いました。
 そうして今にもいたって縁が続いています。
  彼といろんな話を当時よくしました。彼はロックミュージックは
 嫌いな方で聞いても、ピンクフロイドぐらいです。
 シナリオを書くくらいですから、聞いた音が彼の中では映像化されて
 いくようでした。

 当時彼は友人が他界し、非常にどんよりした日々を送っていて、
 小戸の海岸の点景を見に行ったりとぼんやりしていました。
  そんな日々の中で私が彼にすすめたのがパスカルロジェの
 「ラヴェルピアノ曲集」でした。いろんなピアニストがいる中で
 パスカルロジェほど繊細に光の粒のように演奏するピアニストは
 いませんでした。また、彼がどのような反応をするのかにも
 興味があったのです。

 曲が終わると彼は言いました。
 「スピーカーから宝石がこぼれ落ちてくる。
         そのこぼれる光を両手ですくわないと。。。」

 「多くのピアニストがメロディを演奏するのに、このピアノは
  メロディではなく感覚を演奏しているね。」

 私はこれを聞いて、感心してしまいました。曲の甘さではなく
 曲の感情をとらえているんだな〜と思いました。
 私はがらにもなく覆された宝石という言葉を思い浮かべました。

 『覆された宝石のような朝

  何人か戸口にて誰かとささやく

  それは神の生誕の日   (「天気」西脇順三郎)』

 このアルバムにはほかにもすばらしい曲がたくさんあって
 きりがりませんが、私が好んで聞く曲は「夜のガスパール」
 「古風なメヌエット」など多々あります。当時3枚組のレコードでした。
 2年ほど前輸入CDを見つけなつかしくて買ったCDが今、鳴っています。

 もう、ずいぶん遠くまできてしまったんだなあ。
 私はこぼれ落ちる音の光から当時のことを思い浮かべました。

 「私たちは約束をした。
  芳香の漂う海岸でみんなで会うことになっていた。」
 そんな歌詞も浮かんできます。
 私はさらに、CDを探し出して交換しました。やはり
「逝ける王女のためのパヴァーヌ」ですが、今度はJAZZです。
 MJQ(マンハッタン・ジャズ・クインテット)の演奏です。
 
 どちらの曲もゆるやかにワルツのリズムから光がこぼれ落ちます。
 真夏の夜の夢をゆるやかに導くように曲は進んでいきます。
 私は当時の光と夢と友人が踊っているような気分になりました。


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2003/1/17 おんぴこりん
☆☆

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