イ・ムジチ合奏団やイタリア合奏団の演奏する「四季」が、ヴィヴァルディの「四季」だと思っていた私は、このCDを聴いて最初は思わず笑ってしまった。何故かと言うと、このアーノンクールの「四季」は今まで聴いてきたものとは余りにも異なっていたからだ。 どこが違うかというと、まず『春』および『秋』の共に第1楽章のアクセントの位置、次いで全ての曲の最後のフェルマータのついた音を長くのばさないで短く切ってしまう点、そして『秋』以外ではチェンバロではなくてオルガンが用いられている点などが挙げられる。 しかしこれらの点は、ヴィヴァルディが作曲した当時の音楽を、アーノンクールが再現しようとしているためではないかと考えさせられる。例えば『春』の第2楽章ではビオラのほえる犬の音が極めて強く、他のパートから抜きん出て聴こえるが、これは楽譜の指示通りである。イ・ムジチ合奏団やイタリア合奏団の演奏ではここまで際立たせてはいなかったと思う。 繰り返しこのCDを聴いているうちに、この演奏はなんと素晴らしいものなのだろうという気持ちが徐々に湧いてきた。特に『夏』の第1楽章の演奏は秀逸だと思う。これが本当の「四季」なのではないかと思われるくらい優れた演奏である。 「四季」以外のその他の曲について私は詳しく知らなかったので、新しい発見だ。このCDに収録された曲は1977年にウィーンで録音されたものだが、このCDに出会えた私は幸運だと思った。
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2003/4/29 小河拓彦
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