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| << エッグカツカレーもクスリさえも効かない世界 >> 「今日の日替わり定食はエッグカツカレー」とおしゃれな黒板に書かれた 喫茶店を見つけた。 めちゃくちゃお腹がすいたまま、あちこち不案内な道を探して、ようやく 閉店まぎわの喫茶店を見つけた。もう10時を過ぎている。 はたしてまだ今日の定食は食べられるのだろうかと思いつつ、カランコロン 鳴るドアを開けて、店に入るとまだ、エッグカツカレーはOKとのことで ひとまず安心した。 人事異動で職場を変わり、遅くまで仕事をしていたので、このありさまだ。 エッグカツカレーを待っている間、有線放送からなつかしいナンバーが 流れてきた。それもずいぶん古いヒットナンバーばかりだった。おまけに、 その喫茶店のオーディオシステムがかなり古いもので、大きなスピーカーから 流れる音もデジタルのような音ではなく、奥行きの感じるアナログっぽい音 だったので、いきなり小学生時代や中学生時代のことを思い出してしまう、 しばし、ぼーっとしてしまった。流れていた曲は「カントリーロード」や 「グッバイイエローブリックロード」だった。 エッグカレーを食べながら、もっと野菜を食べたいなあ。と思い、この今 流れている曲を聞いていた頃は、 「畑からだいこん抜いてこい!」などと祖父や祖母に言われて、取り立ての みずみずしい野菜を食べることができていたんだと思った。 そういえば、ジャマイカのラスタマンたちは、精神をピュアに保つために 食事にはとても気をつかうことを思い出した。 ラスタマンとは、旧約聖書に基づいた生き方をし、アフリカ回帰を願い、 文明化された間違った生き方をする国を悪徳都市バビロンと考え、人間本来の 生き方をしている人々である。 ボブマーリーもそのひとりであり、レゲエの永遠なるビートを世界に伝えた 人だ。レゲエの語源はレギュラー(自然)を意味してふつうの人間として神や 自然の生き方に従うことを歌ったものだ。 ラスタマンたちはヴエジリタリアンであり、いろんな薬草(ハーブ)を調合し 精神と肉体をひとつにしようとする。 そうして、常に血液が汚れないように気を遣う。洗剤なども使わずにハーブを 調合しあのライオンを意味するドレッドヘアを洗髪する。 レゲエのビートは心臓の鼓動であり、一定のパルス波を繰り返す。 このビートが日本の盆踊りのビートとそっくりなのも何かがそこに隠されて いるように感じる。 私の知り合いのジャマイカンでレストランを開いているアレンさんによると このような食事は日本の仏教の精進料理ににているという。 そうしてなぜ、日本人はたくさんのクスリを飲み、悪徳都市のバビロンの ような生活をする者が多いのかと聞かれたこともある。 ラスタマンのように生き方を変えれば、クスリもいらないのに、なぜ、 インスタントな生き方やジャンクフードを喜んで食べるのか?とも聞かれた。 人が便利なように作りあげた世界はやっぱり病んでいくのだろうと思う。 自然のシステムに従い、生き方を変えないと魂まで病んでしまうのだろう。 どんなクスリもこの世界を変えないと効かないないのだと思う。 エッグカツカレーを食べながら、あーキャベツの千切りが食いたい!と 思いながら、 「クスリなんか効かないんだ。心を変えれば病気なんかなくなるんだ。」 と強く感じ悟ったような気分になった。 ザ・ヴァーヴは若いバンドにしては不健康なほどの音の壁をストリングス やギターで奏でる。その音を聞いていると、なんだか若者のどうしようもない 苦悩から生まれた悲痛な音にさえ聞こえる。 「ザ ドラックス ドント ワーク」のアクースティツクギターではじまり、 ストリングスがかぶってくるイントロを聞くなんとも言えない悲壮感を感じる。 しかし、その音は異様に美しい。そうして、なんどもなんども 「クスリさえ効かないんだ、この悲しみには」とリフレインされる。 これからの共生の時代にクスリなんかいらない魂の磨かれた人間に なっていかないとなあ。となんだか聖人のようなことを考えた。
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