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| MAGUMIがレコメンドする1枚 80年代の初頭、イギリスのヘアカット100というバンドとそれを脱退したニック・ヘイワード(後にソロに転向)の、ベスト盤のようなもの。こういうのは珍しいよね。母体のバンドとソロになったアーティスト、その両方が一つになっているんですよ。だから、バンドのほかのメンバーからしてみれば「なんじゃこりゃ」という感じだよね、きっと。僕たちにとってはお得盤だけどね。 それまでは、僕はパンクがすごく好きだった。そこへ、ニューウェーブという、もっと「新しいことをする」という空気感を表しているものが出てきた。ニューウェーブというのはジャンルではなくて、どっちかというと雰囲気とかファッション、メッセージ性、そういうものだったんじゃないかな。濃いメッセージを歌いながら、それでいてすごくさわやか。実際にスタイル・カウンシルとかもそうだった。みんなはお洒落だといって聴いていたけれど、歌詞なんてすごかったからね、メッセージ色が強いというか過激というか。極端だけど、それまでと違うものがニューウェーブ、とも言えるんじゃないかな。 ヘアカット100は、いわゆるロックと、サルサ系のリズム(16ビート)を少し融合したようなサウンドだった。メロディがキャッチーで、ホーンセクションもきちんとできていて、しかもルックスとファッションセンスがいい。だから、イギリスではものすごいアイドルバンドだった。ニューウェーブのバイブルの一つだと思う。一番、その当時の雰囲気がわかる。有名なのは一曲目の「Favourite Shirts」ですね。アイドルグループではあったけれど、サウンドはしっかりしているし「恐ろしいくらいにすごい、アイドルグループが出てきたな」という感じでしたよね、イメージとして。楽曲もしっかりしていて、しかも新しいことをしているという意味で。 ニューウェーブは、最初はパンクに影響を受けた人たちが、音楽を変えて、たとえばいきなりピコピコになっちゃった、でもメッセージ性はそのまま変わらない、そういう人たちが始まりだったとは思うんですけど。そして、音楽のジャンルというよりも、ファッションといったほうが近いと思う。洋服だけじゃなくてカルチャーも含めた、風俗・世相というようなもの。だからニューウェーブは、たとえばヘアカット100ばかりではなくて、音楽に限らず、その当時の流行もたどると、より空気感が伝わると思う。その当時の音楽を聴いていた人にはオレが言わなくてもわかると思うけどね。
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