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こんな物言いで始めるのもなんだが、残念ながら僕の周囲では尊敬できるオジサン世代の人間、というのは残念ながらいない(一応、親父は除いておく)。 で、この事は世間一般に共通した話ではないかと思う。尊敬するオジサンを長島○雄とか、石原○太郎とか言う人の大半は、周りに尊敬するオジサンがいないのでとりあえず答えているのではないだろうか?そりゃ巨人ファンや○太郎ファンの数は多いかもしれないが、周りに尊敬できるオジサンがいない、という事はオジサンの下の世代の人々にとって共通していえる事ではないだろうか。勝手な意見ではあるが。 そういえばここ数十年の間に、オジサンという言葉はそれ自体に差別的な意図が含まれるようになった気がする。オジサン、オヤジ。すなわちムサイ、ウザイ、クサイ、である。(フセインの子供のことを言っているのではない(爆))。 しかしながら、日頃の会社生活で上司の理不尽な発言と組織の疲弊を目の当たりにするにつけ、オジサンの定義というのは、ムサイとかいう外見や態度よりも、むしろ頭の固さと許容量の低さではないかと自分は思うようになった。そして、たとえ頭が固くて許容量が無くても、それを上回る人間的な魅力が備わっていれば、それは成熟した大人というわけでオジサンと呼ぶべきではないと思うのだが、そんな立派な御人はなかなか居ないわけで、僕の周囲はいくらモー娘。の全員のメンバーの名前を覚えていようが皆オジサンなわけである。 かくいう自分も毎日のサービス残業で身体の節々がきしみ、テレビもろくに見られないので流行にもついていけず、また俗塵に侵食されたゲーム脳では己を磨くこともかなわず、ということでオジサンへの道まっしぐらの状態にあるのだが。 で、要はここで話すDJ MIL'O、なのである。 この人物はかのMASSIVE ATTACKやSOUL?SOULの前身と言われるWILD BUNCHという「伝説的な」グループのオリジナルメンバーの一人で、87年にWILD BUNCHが崩壊した後は目立った活動をしていなかったらしいのだが、去年辺りから突如活動を再開したという。 87年には既に活動していた、ということはもはや結構なオジサンではないかと勝手に推測するわけだが、自身初のソロ作品という「SUNTOUCHER」は、オジサンと言うには憚られるくらいの、熟成した大人のイメージを感じさせるサウンドシステムである。 自分としては久々に密度の濃い音楽を聴いた。音の一粒一粒が、何かの感触を感じとる事のできる響きをしている。重みや感触のある音というのは、ツボでは無い限りたいていは拒否反応を起こすのが常なのだが(そしてテクノ嫌いの人は、こうした電子音の重みや感触がダメなんだと思う)、彼の場合、全てがツボにはまるかというと決してそうではないのだが、そうではないのにもかかわらず、どんな音も耳によく馴染み、心地よく脳細胞に浸透してくるという不思議な吸引力がある。きっと音のバランス感覚が良いのだろう。深みにはまる音だ。 この人はこれまで約10年の間ブランクがあったそうなのだが、一体どんな事をして来たのだろうか。俗塵と交わること無く、まるでワインのように自らの音楽を成熟させていったような感がある。コクがあるのにキレがある、というのはこういうことか。 過激で泡沫的な目新しさよりも、 確かな刺激と恍惚を求めたい人にオススメする。 オジサンな人もそうでない人も是非。
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