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フランス発の無国籍音楽 クラブ系を中心とした「先端」な音楽に詳しい、スノッブ好きの私の友人によると「フランスからは何も生まれてこないし、ヨーロッパで一番遅れているのはパリだ」ということになるそうだ。その評価が正当かどうかは、浅学な僕にはわからないけれど、数年前に初めてParisに行った時に感じたのは、フランス人が「レベルの高い観客だな」ということだった。ライブハウスでの反応もそうだし、CD店には、フランスの演歌とも言える「シャンソン」もビルボードのトップ100もあるけれど、北アフリカの民族音楽もいわゆるワールドミュージックも、クラブミュージックまで、世界中のあらゆる種類の音楽が「等距離」に並んでる。これは現地の留学生からの受け売りだが、「フランス人はテクノは自分たちがつくったと思っている」という話には笑ってしまった。(たぶん事実では無いよね?) たしかに、フランス人は前衛的な芸術に理解ある。観客として寛容なだけれはなく、お金も使っている。日本が世界に誇る前衛芸術「山海塾」もフランス人の税金を母体に活動しているかと思うと、彼らの懐の深さには頭が下がる。 同時に、私の友人の言うとおり、随分長い間、フランス発の音楽は無いような気がする。観客として楽しむことに終始して、何かをつくりだす暇が無いのだろうか? Deep Forstはフランス発の新しい音楽だ。'92年頃から活動を開始しているから、もう10年強のキャリアになる。その間民族音楽をエッセンスにした新しいポップスを発表し続けている。世界中の民族音楽をデジタルサンプリングして楽曲に組みあげる手法。このアルバムでは、彼らのファーストアルバム。アフリカのピグミー族の声をハウス的なエレクトリックサウンドと掛け合わせた。 CD店に世界中の音楽が、等距離に、相対化されて並んでいる、フランスだから培われた音楽という意味で、とてもフランス的だと思う。 僕が興味深いと思うのは、日本の音楽シーンがフランス的になっていくのではないかという予感があるからだ。日本はアメリカの文化的植民地から、少なくとも音楽に関しては“はみ出して”きている気がするのだ。 あくまで比喩だけれど、バブル全盛の頃、「世界で一番グルメファンが多く、おいしいレストランが多いのは日本です。なぜなら、文化や情報の蓄積もあり、宗教等の禁忌も少ないので雑食で、経済レベルも高くいからです。今日はフレンチ、明日は中華、明後日はエスニック。懐石料理もハンバーガーも同じ人が食べる、グルメな消費者がいる国は日本しかありません。」というのがグルメブームの説明だった。その解説が正しいかどうか、食通でない僕にはわからないけれど、こと音楽に関していれば、こんなことが言えるのではないか「世界で一番音楽ファンのレベルが高く、いろいろな音楽が楽しめる国は日本です。情報も溢れ、宗教的な禁忌も少ないので雑食で、経済レベルも高いからです。カラオケの練習用に浜崎あゆみを買い、村上龍推薦のキューバ音楽を聴き、山崎まさよしの歌に涙を流す。ジャムバンドもボサノバもクラブミュージックもと同じ人が聴く、音楽的な洗練度が高い消費者が居る国は日本しかありません。」 Deep Forestは、そんなグルメの舌に耐えうる無国籍高級料理だと思う。是非、一度ご賞味あれ!
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