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| NY在住のトロンボーン奏者、Steve Turreの新作。タイトルを見て察する通り、ジャズトロンボーンのバーチオーソ「J.J.Johnson」へのオマージュのアルバムである。11曲中8曲がJ.Jのオリジナル楽曲であり、そのオリジナルの雰囲気を損なうことなく、Steveと朋友RobimEubanksの新たなアレンジが施されている。編成もリズムセクション+トロンボーンアンサンブルでトロンボーンサウンドの醍醐味が十二分に堪能出来る。これら楽曲を通して聞くとJ.Jが作曲家として、編曲家として希有な才能の持ち主だったことがわかる。 今回のアルバムは曲によってトロンボーンの編成が多少違っていて2トロンボーンのものもあれば5トロンボーンの曲もある。参加している他のトロンボーン奏者は、RobinEubanks(DaveHoland バンドなどに参加) ,JoeAless(NYフィル主席奏者),Steve Davis(ChickCorea オリジン),Andre Hayward,Douglas Purvianceの4名。 この人選は非常にSteveらしい。いわゆるテクニカルなスムース系ではなく、個々が非常に個性的なごつごつした奏者を集めている。もともとJ.Jも非常に個性的だった奏者であったが、彼のスタイルがジャズトロンボーン界において非常に革新的で且つスタイリッシュだったために、その後に続く奏者がみな影響をうけたため一瞬、J.Jのサウンドがずっと昔からあるトラディショナルなスタイルだと思われがちである。事実、それ以前のいわゆるダンス音楽が全盛の頃のビブラートをたっぷりかけたスイートなスタイル、もしくはデキシーに見られるスライドによるグリッサンンドを多用したスタイルとは圧倒的に違う。 J.Jは非常にイノベーターであったわけだが、この精神を見事に受け継いでいるのはこのSteveが一番だろう。Slide Hamptonという演奏スタイルが非常にJ.Jに似たベテラン奏者がいるが彼は精神的にはあまりJ.Jの影響を受けていないように感じる。以前、Steveと話している時に非常に彼の音楽感の根幹にあるものとして「アイデンティティ」への意識を強く感じた。彼のトレードマークになっている法螺の演奏は自分がメキシカンであることの一つの拠り所であると言っていた。 今回のようなトロンボーンアンサンブルが全面にでている、しかもコンセプトのハッキリしているものはとかく企画先行で中身が寂しいといったことがたぶんにあるがこのアルバムはそんなことが微塵もなく非常に彼等のJ.Jに対する敬意と新しいものをクリエイトするという創作意欲の「清さ」を感じ取れる素晴らしいアルバムだ。これを聞いて何かを感じたら是非、オリジナルのJ.Jによる演奏も聞いてみて欲しい。そんな自分もしっかり「J.J. チルドレン」だ。
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