伝説の女 数年前に金延幸子が、話題を呼んだ時のキーワードは、「伝説」だった。 不適切なたとえであることを承知で言うと、僕が連想したのは、「口裂け女」だった。小学生の頃、友人たちの間で一世を風靡した「口裂け女」の話。顔を隠していて、話しかけると「私って綺麗?」といって顔を見せるという話は、なんとなく怖いけれど、意味がよくわからないと、子供心に思っていた。その後、中年になるまでの間に、「私って?」と尋ねる怖い女を見るという体験はしてしまったけれど、口裂け女に遭遇することはなかった。 金延幸子さんの話もそんな感じ。すごいアーティストが居たけれど、商業的に成功することなく、渡米してしまった。アメリカ人と結婚したLAで暮らしているらしい。名盤の誉れ高い「み空」も、目にすることは困難だった。それが、どんなきっかけで、リリースされたのか、詳しくは知らないけれど、理由はともあれ、たくさんの人に知られることは良いことだ。 このアルバムは70年代の隠れた名盤だ。僕が口裂け女のフォークロアにおびえていた頃に録音された伝説の女性アーティストのアルバムは、輝きを失っていない。
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2003/10/28 シュウ・ホシノ
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