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Fantastic Plastic Machineの"too"をさらにリミックスしたリニューアルアルバム"zoo"にも参加のエレクトーン、オルガン奏者「タッカー」。 子供の頃から現在に至るまでエレクトーンを弾き続けている私としては、ドイツのレーベル・バンガローが日本のアーチストをセレクトしたアルバム「sushi 4004」で、「The Man from Electone」という名前で収録されていた頃から気になる存在でしたが、情報源もなくしばらくそのままになっていました。 しかし最近、コモエスタ八重樫・かせきさいだぁ・小西康陽などなど、私の好きなアーチスト周辺の記事でも名前をよく目にするようになり、これはもう聴かないと!と、ついにこのアルバムを購入。ヤラレました・・・。続けて3回聴きました。こういうサウンドを待っていたんだ!と思いました。 最新のエレクトーンじゃなく、今や廃棄処分になったり各家庭の隅っこに置かれて埃をかぶっているような古い機種のエレクトーンで奏でられるオルガンサウンド。いろんな思いが次々よぎりました。 最初によぎったのはノスタルジーでした。今、私の家にあるエレクトーンは3台目。子供の頃にあった最初の機種は、ちょうどタッカーが弾いているものと同じぐらいの年代(1970年代)のもので、音色は10個ぐらい、リズムボックスも10個ぐらいのとてもチープなものでした。どれも大差ないような音色だけど、でも少しでも変化をつけたくて、レバーを組み合わせたりリズムを混ぜたり、自分なりに工夫して弾いていました。 CDジャケットを見ると、タッカーが弾いているものは当時私が憧れていた機種の一つで、当時としては多機能なものでした。音色もリズムの数も、効果をつけるボタンも沢山ありました。「あんなすごいものが家にあったら、あの曲はこんな音で弾いて、途中で音色も変えて、トレモロもかけるんだ〜。」と、カタログを見ながら空想するぐらい新しい機種が欲しかったっけ・・・。 タッカーの演奏を聴きながら、「あ、ワウギター!」「このオートリズムはジャズロック!」「オートアルペジオを効果的に使ってる!」「リズムボックスを最大速度にしてドラムの乱打の雰囲気を出してる!」と、最近はすっかり忘れていた当時のエレクトーンの機能や音色の名称を次々に思い出して、なんだかなつかしいやら切ないやら・・・。 しかも当時子供心に、「妙に哀愁があってかっこいい!」と思って弾いていた「サニー」も収録。タッカーはこの上なくホット&クールに弾いてます。 アルバムはタッカー作曲のものが大半ですが、レトロと新しさが混ざり合っているメロディーやアドリブ、全体に漂うちょっとけだるく切ない感じに、なんとも言えない気持ちになりました。 現在の最新のエレクトーンなら、リズムも自分で打ち込みできるし、シンセのようにエンベロープを編集して多様な音色も出せる。鍵盤の機能も多様化していて、鍵盤を左右に動かすことでピッチベンドやビブラートをかけることもでき、生楽器のニュアンスを表現することも追求できます。 エレクトーンにシンセやアコースティック楽器を組み合わせて、「エレクトーンを自分の音楽の礎にしつつ」オリジナリティあふれる音楽を作っているアーチストは沢山いるし、エレクトーンの世界から発信される音楽を私は特別な思い入れを持ってずっと聴き続けています。 しかし、あえて今じゃ誰も使わないような古いエレクトーンを使って自分の好きなサウンドをとことん追及しているタッカー。 このCDや、またはクラブやライブで耳にするタッカーのサウンドを、エレクトーンのことをよく知らない方は「チープでキュート!」と新鮮に感じるかもしれないし、ラウンジやモンドを好きな方にもかなりぐっとくるんじゃないかな〜、と思います。 私自身、エレクトーン・ハモンド・シンセなどの種類は問わずに「オルガンの音色」で奏でられる古い感じのサウンドが大好きで、JAZZオルガンはもちろんのこと、スリー・サンズ(1940年代に活躍、ラウンジを奏でるトリオ。主にアコーディオン、ギター、オルガンで演奏)のCDなども、時々無性に聴きたくなります。 古いエレクトーンになんて誰もフォーカスを当てなかったけれど、あえてそれを自分の表現手段に選んだタッカー。 タッカーのフィルターを通したエレクトーンの音をもっと沢山聴いてみたいと思っています。
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