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| ♪ こがね色の中の純白の胸 秋の風の中で「悲しきマーリー」が頭の中で鳴り出して、しまっていた段ボールから、ミッシエルポルナレフのベスト盤を取り出し聞いているとここに書きたくなった。 ポルナレフとの出会いは、あこがれのよしこねーちゃんだった。幼なじみのみっちゃんのお姉ちゃん、よしこねーちゃんに不思議な女性というものを感じていた私は小学生4年生だった。 私は、家にいてもつまらないので、みっちゃんと野球をしようと電話をかけた。 「みっちゃん、野球しにこいよ。」と誘うと、いつものように 「おまえの家は山の中で成層圏に近いから、空気が薄いったい。下界に降りてこい、都会へこい。店もあるぞ。」 と、ほとんど変わらない田舎に住んでいるのに、(私の家の方が2キロくらい遠いだけ。) 私の家は宇宙に近くて空気が薄いので、肺の筋肉が疲れる。と、わけのわからないことを言って結局、いつも私が みっちゃんの家に行くことになった。 そんなある日いつものように、私はみっちゃんの家に電話をすると「今はいないけれど、もう帰ってくるよ。来て まっときな。」とおばあちゃんの声。私は自転車でバットとグローブを持って野球小僧となってみっちゃんちへ急い だ。 みっちゃんは、まだいない。壁にボールをあてて遊んで待っているとあこがれのよしこねーちゃんが高校から帰って来た。そうして、「こら野球小僧、たまには音楽でも聴いてごらん。」と声をかけられた。 当時、ステレオがある家は少なかったが、なんとみっちゃんちには、4チャンネルステレオなるでっかいステレオが 飾ってあった。そうして、黄金に輝くレコードジャケットからミッシェルポルナレフの「愛の願い」が鳴り出した。 よしこねーちゃんは短いスカートで、足を投げ出し聞き入っている。私はどきどきしながら黙って聞いていた。 そうして、 「これがわからん人は音楽的センスないよ。」とよしこねーちゃんは言うではないか。これはいけない。 よしこねーちゃんに嫌われてはいけないと、いたいけな私は感じて、よしこねーちゃんがいなくなっても、夕闇が迫ってくるまで、何度も何度もポルナレフのレコードを聞き続けた。 そのうちによしこねーちゃんが部屋に戻って来て、 「みっちゃんは今、温泉センターにいるから、やっちゃんも一緒においで。」と言われ、私はみっちゃんのおばあちゃ んと、よしこねーちゃんの三人でバスに乗った。温泉センターといっても、温泉などなく、大きなお風呂というもので老人のために町が作ったものだった。温泉センターに着くと、みっちゃんはお風呂で泳いでいるらしいことがわかり、私とよしこねーちゃんは一緒にお風呂に行った。家族風呂のようなところで、みっちゃんはなぜか水中めがねをして泳いでいる。 よしこねーちゃんはぱっとスカートを降ろし、あっという間に、私の手を引いて湯船につかった。 私はびっくりして心臓がこわれてしまうほどだった。よしこねーちゃんの顔が見れないのだ。顔を見ることは当然、胸に目がいく。そんなことをかまわずにみっちゃんは水中めがねで潜り続けている。 よしこねーちゃんが、 「ポルナレフよかった?フランス語よ。」と私に聞く。私はよくわからなかったが、「うん。」と振り返った瞬間に よしこねーちゃんのあまりにも白い、美しい胸が私の目にとびこんできた。 私はのぼせるようになってお風呂を上がり、帰りにはポルナレフのレコードをかしてもらって、家に戻り、ポータブルプレイアーで聞いた。これがよいのである。 それからいつの間にか、私はフランス語に似たカタカナでそのレコード全部を歌えるようになっていた。 みっちゃんも「ツーツー ポマシェリ マシェリ」と歌えるようになっていた。やがて、私たちの学級の男子はほとんどがポルナレフの曲を聞くようになった。 私もラジオでポルナレフの新曲を聞いて録音するようになった。そうして、学校で壁新聞を作ることになったが、 その全面にポルナレフのレコードジャケットと「愛の願い」の歌詞を書いた。新聞名も「ポルナレフ新聞」ところが、私は放課後、担任の先生に呼ばれた。 そうして、「ここの意味わかる?」と壁新聞の歌詞のところを女性の先生は聞いた。 そこには、 「僕は君に薔薇をあげるからかわりに君の薔薇をもらおう。」と書いてあった。 私は「全然わからんけれど、めちゃくちゃいい曲なんです!」と答えた。その日、みっちゃんは初恋の人に 告白して、ふられて落ち込んでいた。私が心配してみっちゃんちへ行くと、みっちゃんは、悲しい顔でポルナレフの新曲「悲しきマリー」を聞いていた。 ---------------------------------- ※2002年リリースのアルバム(UICY-2555)をレコメンドして頂いておりましたが、製造中止のため、商品情報を2004年リリースされた商品と入れ替えさせて頂いております。 (2004/6/3 レコセル)
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