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ウクレレを中心にした音楽を作り歌う、つじあやのさんは、その地味な容姿のように、とても地味な音楽を、黙々と表現している。そして、小学生の作文にしか使われないような単語だけを使って(例えば、「夢」とか、「風」とか、「空」とか)、歌っている。その小学生は、間違いなく、窓側の席でひっそりと読書をしている、眼鏡の女の子だ。 「春蜜柑」というタイトルが示すように、つじあやのさんの音楽の季節は「春」だ。春の穏やかな空気そのものだ。 一番のオススメ曲の「虹」は、失恋の歌。他にもこのアルバムには、失恋の歌がいくつかある。 <君の知らない人とめぐり合う そして新しい恋を見つけても きっと忘れない 忘れられない 君を好きだった 君に 君にありがとう> これは、一曲目の「君にありがとう」。いきなり失恋の歌から始まるのだけれど、でも、「ありがとう」って言えるようになったという、とても前向きな歌だ。本当に、春みたいな曲だ。 さて、「虹」は、ピアノの伴奏から作られている。ここでも、結論が前向きで、悲しみが悲しみとして、劇的じゃない形で素直に描かれているのが、良い。嘘がない。無理がない。そんなことが分かる、複雑な心境を丁寧に描いた詞がある。 <さよなら何度も つぶやく空の彼方に 七色の虹が光ってた このままいくつも 失う心の果てに 悲しみのうたが聞こえてる> 虹が爽やかに描かれている。これは、失恋を爽やかに受け止めている証拠だと思う。こんな風になれたらいいなぁ。
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| 好きな人はいますか? 誰ですか? その人への想いは? なんて僕に聞かれても困ると思うけど。 好きな人がいますと正直に話してくれる人がいます。 その人への想いもこっそり教えてくれちゃう人がいます。 つじあやのさんです。 音楽と言う手段を使って、僕には話してくれた。 うれしい事も悲しい事も。 僕は話し終わるまでずっと黙って聞いていた。 途中泣きそうにもなった。 でもずっと前向きな気持ちで話してくれるからさ、うれしかった。 みんないい恋してんなー。 好きな人がいない時や好きな人と喧嘩なんかした時、「春蜜柑」を聞いてみて。 つじあやのさんの話を聞いてみて。 何か忘れてたものが、それがなんなのか分かる気がするから。 大事な事だから、それは。 タムラヒトシ
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