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| SOYSOULのニューシングル(「CAN'T STOP」8/25発売)のマスタリングのためにNYに行ってきたんですけど、そのときに、いま何が一番かかっているのかなと、通りかかる車の音なんかを気にしたりしていたんです。そうしたら、このアルバムの6曲目、ZOOCOも大好きなバラード「If I Ain't Got You」が頻繁に車の中から聴こえてきました。ラジオでもこの曲がめちゃくちゃかかっていて、Kanye Westのリミックスも出ていました。 Alicia Keysは、最近ではもっともソウルフルな女性シンガーなんじゃないかなと思います。D'Angeloの女性バージョン、そしてポップシーンの中で人気があるという感じの人ですね。やっていることすべて正統派で音楽的にもすごく深いものがあるんだけど、ポップアイドルみたいな扱われ方をしている。近頃ではここまで歌える女性ヴォーカリストの代表と言えば、BeyonceとAlicia Keysだと思います。BeyonceはたとえばTina Turnerのように激しい曲を歌うこともできる。そしてAlicia Keysの歌声や歌い方にはGladys Knightのようにグーっと重くくるものがある。そういう印象があります。 このアルバムはピアノの弾き語りもすごくいいし、ファンキーな曲もあって、彼女の音楽性の広さと深さを感じますね。全体を通して生楽器を大事にしていて、一見、古い感じがするんだけど、その反面とても新しく感じるんです。奇をてらったわけではないのに、それが心に引っかかる。ストレートなピュアな人間に惚れるということがあるようにね。本来音楽はそういうものだったわけで、そこを大事にしているシンガーがメインストリームできっちり売れているというのはすばらしいことだと思うし、すごく嬉しく思います。同時に、JoeとかK-Ci & Jo Joのバラードともまたひとあじ違う、シャッフルが入ったような昔っぽいリズムのこういう曲をシングル曲としてきちんとこなすことができる。そういう彼女の“私はソウルシンガーなんだ”という姿勢が、アメリカでは受け入れられるし、そういう土壌があるというのがいいなあと思います。 NYの夏は暑かったけれど、日本ほどは湿気がないんですよね。そんなNYの夕暮れに、車から切ないバラードが・・・・・・。とても街に合っていました。ここのところヒップポップばかり流行っていたのに、こういうバラードをまたみんながいいと思っているみたい。ヒップホップとかが好きな若い人はよく車にスピーカーをつけていて、この曲を歌いながら運転しているっていうのは新鮮でしたよ。で、THE ROOTSのAmirが、「俺はこういう音楽が嫌いだけど、でもこれは好きなんだ」って言ってたんです。それは彼が嫌いなのはポップスの音楽そのものではなく、ポップシーンのことなんだけど、それでもそういう中にあるAlicia Keysは好きで買っちゃうって。これってすごいことですよね。ジャンルを超えてもいいものはいい、みたいなところにぐっときました。そういうところは、Stevie Wonderなんかに通じるんじゃないかなとも思います。
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| この中ではシングルでもリリースされた「You Don't Know My Name」が一番好き!ピアノがサンプリングされているんだけど、ミュージックビデオを見ていたら彼女がパーッとその部分をピアノで弾いていたの!サンプリングのサウンドではあるけれど、彼女はピアノが弾けるからビデオではそんな演出になっていたんだろうな。彼女にとって歌とピアノは切っても切れない関係なんでしょうね。このジャケットの裏にピアノがプリントされているのも象徴的。 彼女の曲は打ち込みなのに生っぽい。打ち込みって年代年代で流行りがあって、後で聴くと「ちょっと今はこれじゃないな」って思うことが多々あるんだけど、彼女のサウンドはたぶん何年たっても色あせないんじゃないかな。また、フューチャーしている人たちも、ミーハーというより硬派な人が多いんですよ。たとえば「EVE」とかね。女性ラッパーってお色気ムンムンで、「男なんて軽く手玉にとるわ!」みたいなタイプが印象として目立つけど、「EVE」は違うの。同じ女性のパワフルさを歌うにしても、知性的な感じ。そういう人たちと一緒にやっているところも彼女のセンスがわかるというかね。はやりすたりじゃない、普遍的な雰囲気が彼女の音楽にはあると思う。友人のDJとどんな音楽をやろうかっていう話になると、必ずアリシア・キーズは話題になるの。どの曲っていうんじゃなくて、彼女の音全体を包んでいる空気はTinaに向いているんじゃないかってよく言われるんですよ。 あと、彼女の3連バラードは力が入りすぎたクサさがないのが、いいですね。たぶんビートがしっかりしているし、打ち込みだからじゃないかな。クラシックな感じだし。なんか淡々と自分の好きなところを貫いている感じがしますね。 そうそう、「You Don't Know My Name」を聴いていて感じたんだけど、向こうの曲ってよく「語り」が入っていることが多いでしょ?これ日本語でやるとどんな風に聞こえるのかな??って思うの(笑)。日本では、英語だからオッケーって感じだけど、英語が母国語の人には意味のある言葉として耳に入っているんだものね。ちょっとやってみたいけど、日本語でやると演歌っぽくなっちゃうかしら(笑)。 今回は、リリースされたばかりの旬の2枚目を紹介しましたが、ぜひ1枚目も聴いてみてください。タイトルどおりマイナーコードの切ないアルバムなんだけど、Tinaはマイナーコードの曲が好きなんです。自分でメジャーの曲を歌っても、どこか切なく聞こえるって言われるの。声が暗いのかな(笑)。
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