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| 96年発表の傑作。 僕は基本的に歌とかメロディのある音楽が好きだったので、「サンプラー を駆使してできたインストゥルメンタルアルバム」と紹介されたこのアル バムを、ずっと避けていた。買ったヒトから「ダメだった」という話は聞いた 事がなく、大勢の仲間達から薦められてきたのに!! ちなみにアンクルの前作は持っている。よって、shadowがどういう音を 作るアーティストなのかは大体わかっていたつもりだ。でも、このアルバ ムは僕の予想を遙かに超えた素晴らしいアルバムだった。どうしてもっと 早く聴かなかったんだろう! サンプラー中心のサウンドなので、非常に密室的な音、凄く「詰った」 感じ。「膨張して破けそうな風船」って感じの音。あまりに抽象的すぎる 例えかな。しかし、それが個人の精神性みたいなものを反映したモノ に留まっておらず、もっと気軽な雰囲気に包まれている。おそらくロック 畑で同じような意識の元、作品を作ると、もっと感情的で、平坦な言い 方をすれば「暗い」作品になってしまうんだろうが、ロックとは微妙に ずれた立場から作られたためだろう、親しげな音になっている。ベック のオデュレイみたいなミックス感が非常に楽しく、気持ちいい。 一度CDをトレイに載せたら、終わりまで一気に聴きたくなる。そして、 アルバム一枚が一つの世界のように統一されている。コロコロ表情は 変わっていくが、最終的には一本の映画を見終わったような感触を 持てる。話のスジが通って、謎が解けて、「ああ「完」だな」って映画 の最後に味わう、あの感じ。 トータルで楽しめたり、音の質感だったり、ドラマ性やカタルシスが非 常にロック的。リズムの生きているような感触、何度聴いても気持ち いい。 聴いて良かった、素晴らしい一枚。今更だけど。
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