今回はインストものを紹介します。 DJをやっている人が、自分で編集してプレゼントしてくれたMDのなかに「In All My Wildest Dreams」が入っていて、それをちょうど、はじめてロンドンに行く飛行機の中で聴いていたんです。空港に降り立って、この曲の雰囲気と、ロンドンのモヤッとした空気がマッチしていて印象的だったのを覚えています。しかもそれがロンドンでの初ライブの時だったんで、その時のいろいろな心境を表しているように思えて。その後、自分でアルバムを買ったんだけど、今でも本当によく聴いていますね。
「In All My Wildest Dreams 」は、たとえば2PACも「Dear Mama」でサンプリングに使っていたりするし、いろいろなところで聴いたことのある人も多いんじゃないかな。で、ここでのギターがDavid T Walker。ZOOCOも大好きなギタリストなんだけど、彼はテクニックもすごいんだけど、味で聴かせてくれるタイプだと思うのね。心にくるフレーズを奏でられる人ですね。ちょっとマニアックなんだけど、この曲のギターソロの後ろに、もう一つのギターソロが入っているんです。ボリュームを上げて意識していないとわからないくらいすごーく小さな音。何ヵ所かあるんだけど、そういうところでどうして入れたんだろう?って、いろいろ自分なりに考えながら聴くのが好きです(笑)。
Joe Sampleは、素晴らしいジャズミュージシャンとして有名なんだけど、ジャズでポップなことをしたり、実験的なことをいろいろとしていて、邪道と言われている時期もあるんです。でもZOOCOはその邪道といわれているもののほうが好き。Herbie Hancockも、ジャズのピアニストでありながらシンセサイザーで、当時の最新のディスコビートみたいなのを取り入れたアルバムを作った。そういうことに対して、「本物じゃない、邪道だ」って言われることもあるけど、じゃあ本物って何なのかなとも思ってしまう。Miles Davisもそうだけれど、いつも何か新しいものを探して、不評を買ってもカッコいいアルバムを産み落としていく、そういう挑戦的なミュージシャンの姿が好きです。Miles Davisが、いま生きていたら、きっとラッパーと新しい音をどんどん作り出していたんじゃないかな。
ZOOCOはね、Joe Sampleを聴いていると、ジェラシーを感じることがあるんです。歌で表現できないことが楽器でできるっていうことに。西田敏行さんの「もしもピアノが弾けたなら」の心境(笑)。同時に、彼が楽器でしているように、歌で表現できないかとも思う。今、次のレコーディングのことを考えているから、よけいにそういうふうに聴いてしまうのかもしれないけれど、打ちこみにはないバイブ感とか、吸収したいと思うところがたくさんあります。
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2004/3/1 ZOOCO
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