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ACOの描く虹は、天国に似た場所にあります。か弱い女の人が、すがるような気持ちで、 <AH・・知らない人でもいいから どこか連れてって なつかしい虹の見えるあの場所へ 楽しい話こっそり聞かせて> …と歌うのは、「HOME SWEET HOME」というシングルのカップリング曲である「虹」です。この一枚には、二つのバージョンの「虹」があります。2曲目の、柔らかに明るい雰囲気の「虹」と、4曲目のアコースティックバージョンの少し寂しい「虹」です。 ラストを飾る4曲目の「虹」は、よりゆったりとしていて、楽器がギターだけなので、声が全面に出ています。電子音を使った楽曲が多いACOには珍しく、声がはっきりと目立っています。だからこそ、言葉が直接的に響き、なお一層、弱さが際立ちます。ACOの知られざる名曲です。 ACOの歌唱は、真珠のようです。真っ白で、透明感があって、控えめに光っている。一回だけ、ライブで聴いたことがありますが、彼女の歌は、立ち尽くした観客たちを薄い粘膜で被うように、会場全体に神秘的な世界をふわぁと広げて、とても美しい空間を作っていました。真珠の一粒一粒がどんどん連なってネックレスを作るみたいに、丁寧にじっくりと手作りの感動が連なっているようでした。 その場には、泣いている人もいたし、黙って感動を噛み締めている人もいました。「ビョークみたいだ」と言っている人もいました。確かに、神秘的で凛とした雰囲気が似ています。華奢な印象を与えるけれども、どこか自立した強さを持っているところも。 そんな彼女にとって、虹はあたたかいものの象徴です。それを弱々しく求めている心境が音になっていて、深い感情移入を誘います。弱さを肯定することは勇気が入ります。だから、彼女は虹の力を借りることによって、勇気を手にしようとしているのかもしれません。 ときに人は、何かの力を借りなくてはいけません。あなたにとっても、この歌が力になることも、もしかしたらあるでしょう。
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