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何も知らない人にこのアルバムを聞かせて、後で「このキーボードはシーケンサーじゃなくて手で弾いているんだよ」なんて教えたらその人はどんな顔をするだろうか?…ヴィタリ・クープリの弾くキーボードとはただ速いだけでなく正確無比であり華麗である。彼のいたアーテンションというプログレバンドのサウンドも完璧にキーボードがギターを食っていた。その圧倒的な存在感はまさに天才と言うに相応しい。そんな彼のソロアルバムとなれば聴かずにはいられない。 まず耳に飛び込んできたのはリック・ウェイクマンやヤン・ハマーといった往年の名キーボーディストが好んで使ったシンプルだがなかなかどうして印象的なあのシンセ音だった。これはプログレファンにとってはなかなか心憎い音色選びではないだろうか?心配だったギターとのコンビネーションは、キーボード対ギターのバトルという構成のおかげでかなり両立したサウンドとなっている。 個人的にはウリである正確さが肉体的なロックを求めているときには不満にも感じられるが、速弾きで畳みかけられるともうそれに感銘を受けて、次第に納得のいく旋律となってきてしまうんだなぁ(笑)。アルバム全体でひとつの作品という印象が強いのでイチオシの曲というのはないが、バロック音楽好きにはたまらない曲ばかりなのでヴィタリ・クープリ未体験の人はぜひ聴いてみよう。(萌尽狼)
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