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「砂の器」が終わったのは、もう随分前のこと。中居君主演のこのドラマのテーマは宿命で、主題歌だったドリカムのこの曲のテーマも、歌詞の中から抜き取ると「運命」だ。だから、この曲は、最近のドラマにない主題歌の劇的な効果を持っていたと思う。過去の作品で言うなら、小田和正のドラマ主題歌のような。 人はこの歌を、自分にとっての運命の人を思い浮かべながら聴くのだろうか。歌詞の中に、「報われなくても 結ばれなくても あなたはたった一人の 運命の人」とある。好きなまま別れてしまった恋人や、昔大好きだった人のことを思って、その密かな思いを、今隣にいる人にはそんなことは内緒にして、涙するんだろうか。 いや、きっと違う。 運命は絶対的にあって、どんなことがあってもぬぐうことができない。どこへ行っても、運命は追っかけてきて、私を、私が行くべき場所に追い込む。そして、運命の人は絶対にどこかにいて、私に出会う準備を、いつの間にかしている。 そんな風に思っているのに、運命の人に出会ったことのない人が、この歌を好むのだと思う。 運命を知りたい。運命に触れたい。運命を抱きしめたい、運命と寝たい。こう願っている人が、好むんじゃないかな。 吉田美和の歌い方のダイナミックさや楽曲のアレンジの奥行は当然のように、運命を感じさせてくれる。そして何より、ドリカムの歴史は、運命を語るのに相応しい厚みを持っている。だからこそ、運命の胡散臭さに防臭マスクをする必要がなくて、私みたいな運命憧憬主義者の気持ちを満たしてくれるんだと思う。 やっぱり今も、ドリカムは偉大なる乙女のリーダーだ。
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