プログレ周辺の音楽を聴いていると、イタリアという国はまさしく奇怪で良く分からない国であるという結論に達する。現地に行ったこと無いので、偏見は多分にあると思われるが、こんなもん聴いちゃったら偏見は解消されるどころかますます強くなるばかりである。(同じようなことはドイツにも言えるけど)
一人の妙になまめかしい夫人が四様のポーズを取るジャケがなかなかいい感じでジャケ買いしてしまった、イル・バレット・ディ・ブロンゾという、いかにもイタリアっぽい名前のバンドによる1972年の作「YS(イプシロン・エッセ)」。帯にはバロック音楽をクラシカルにかつハードにした、みたいな事が書かれていましたが、その中身は奇怪も奇怪、キング・クリムゾンとエマーソン・レイク&パーマーをミンチにかけて肉団子状態にしてしまったような、超絶ハイテンションかつカオスなシンフォニック・プログレが聴けます。
イっちゃった感じの女声の歌声から始まり、始めはややテンション高めの怪しげなシンフォニック・プログレが続いているかと思ったら、突如「ダバダバダバダバダバダバダバダバ」の大合唱が高速スネアドラムと怪しい鍵盤楽器の連打と共に始まり、「なんじゃこりゃあ?」とか思っているうちに、そのままのテンションで次々と繰り出されるテクニック全開の演奏の数々に、あくまで朗々と歌い上げるボーカルが、狂ったとしか言いようが無い変則的なリズムにのって次々と襲い掛かり、聴いている方はまさしくお口あんぐり状態。そのうちに、あれよあれよと言う間に聴き終わってしまいます。
とにかくアルバム全編から漂う「暴力」の匂いが圧倒的で、しかもこの「暴力」が、どこか芸術的にすら聴こえてしまうところが全く持ってすごい。紙ジャケ仕様の本作についていたボーナストラックの方はイマイチでしたが、一般で言う有名どころのシンフォニック・プログレにインパクトの足りなさを感じている、と言う人には、是非こちらを一聴することをオススメします。
- Arbeit Macht Frei / Area
- 同じくイタリアのプログレバンド、アレアですが、こちらはジャズの要素も入り、野蛮としか言いようがない超絶ハイテンションな演奏と、個性極まったヴォーカルが絶大なインパクトでこれもまたすごいです。山本精一氏がアレア好き、というのをネットで読んだことがあります。
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2004/3/9 虚空猫
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