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| 70年代のイギリスを代表するジャズプログレッシブバンド、ソフトマシーンの初期メンバーだったロバートワイアットの半生は、まさしく「ドラマ」そのものだ。ソフトマシーン脱退後もドラマーとして先鋭的な活動を続けていた彼に不幸が襲ったのは73年のこと。不慮の事故により脊髄を痛めた彼は、以後車椅子での生活を続けながら、妻アルフィーと共に以前にも増してパーソナルな音楽を創作していく。時を同じくして政治的な活動にも力を入れ、社会主義的な世界観を強く音楽に反映させていくことも、ワイアットと彼の 音楽をより孤高な存在に位置づけていった。 そういったイメージを覆したのが、97年に発表された前作「shleep」で、ポップな楽曲が並び、広がりのある暖かいこの作品によって、ワイアットの名は多くの音楽ファンに再び刻み付けられることとなる。そして、6年の歳月を経て発売された今作。「shleep」と同じくフィル・マンザネラのスタジオで製作されているが、表立った楽曲の体裁よりも、ジャズの要素と、素朴なワイアットのメロディが尊重された作風の今作は「shleep」以前のイメージに近いものがある。しかし、そこには以前のような張り詰めたテンションとは違った、弛緩と緊張の間を彷徨っているような不思議な開放感が広がっている。このスケールの大きさこそが、ワイアットという人間そのものであるようにも思える。何故、人は歌を唄い、自分の音楽を演じようとするのか。何故、生活に音楽がかかせないものなのだろうか。幾つかの回答は、この作品の中に見出せる。(ura from realm mag)
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