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アンテナ / くるり
2004.3.10 VICL-61306 ¥ 3,045 (税込) CD
グッドモーニング / Morning Paper / Race / ロックンロール / Hometown / 花火 / 黒い扉 / 花の水鉄砲 / バンドワゴン / How To Go<Timeless> 


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朝ききたい
《この街のアンテナはそっちを向いているか》

先行シングルだった「ロックンロール」の初回特典DVDを観たとき、
もうなんというか、やばすぎてやばい。
正真正銘、日本のナンバーワン・ロックバンドだとおもった。
ロックンロール・モンスターのようなくるりがそこにいた。
生で観たのは4年前の世田谷線ツアーのみだけど、
いやはやもう、なんというかあのころはモックンがいて、
達身のかわりに辻村兄がギター弾いてたんだった。
いやはやいやはや。
もうそんなことを口ばしるしかない。

クリストファーはドラムと子供のように完全に戯れていた。
叩きながらあんな顔できるひとは見たことない。
強いて言えばアート・ブレイキーくらいだ。
達身はふらり仁王立ちする死体のようだった。
ロックの抱える虚無も闇もすべて受け止めたまま、
静かに宇宙空間を浮遊するロックの殉教者のように。
佐藤くんは確実に今のこのバンドの柱だ。
これまでずっと岸田の妄走で成り立ってきたくるりは、
明らかに変化した。それだけは言える。
岸田は人間とはおもえなかったが一番地味だった。
そのこと自体がまず非常な驚きをもって感じる事実だった。
粘着質の雌雄同体の生物のようでいて、けれどもっとも普通だった。
普通の岸田は怖い。

いやもう、暑苦しいくらいすごい波だった東京。
いつもよりベースを前面に押し出したアレンジや、
スライドギターのせいだけではないだろう。
強烈というよりも荘厳なメランコリアが大きな渦となって
ZEPP TOKYOをひとつの祭壇にまで引き上げていた。
ワンダーフォーゲルがアンセムである理由がようやくわかった。
きっと鹿野さんやジャパンのスタッフはくるりのライヴを
ずっと観続けていたから、そのことをわかったんだろう。
おれはそのときようやくわかった。

岸田、佐藤、達身、クリストファーの4人が
がっぷり手を組んだ最初で最後のアルバム「アンテナ」。
ここには、シカゴ音響派や、デトロイトテクノや、
アイリッシュトラッドや、浪曲や、ロックンロールや、
数限りない音の種子がぎっちり詰まっている。
それぞれが顕在化しているわけではない。
だが、これまで世界中で鳴らされてきたすべての
普遍的なるグッド・ミュージックの魂がここにはあって、
きっとくるりはそれらと諸差しで組み合ったのだ。

音楽でモノノケになる覚悟がないなら音楽をやってはいけない。
このアルバムのくるりは、確かにモノノケであり、神であり、
マレビトであり、なんやようわからんがスピリットだった。
そしてそのスピリットは、クリストファー脱退という節目の後も
おそらくは変わりなく受け継がれていくにちがいない。
極端にいえば、もう岸田と佐藤さえいればくるりはバンドだ。

いい音楽なら簡単だ。
才能と運があればつくれる。
才能は訓練で獲得できるし、運は注意して見てさえいれば誰にでもまわってくる。
けれど、いいバンドになるってことは、ひとつの音楽の真理を手にするということだ。
普遍的なそのコードの一部を自分たちが獲得するってことだ。
そんなバンド、日本にいったい今いくついるよ?
くるりくらいだ、そんなことできるのは。
 


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2005/1/30 chori
☆

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聴いたらナゴむ
くるりの『アンテナ』が、ようやく我が家に設置された。これで、私の部屋はいつでも、どことでも繋がってゆける。

アメリカ製ドラマーのクリストファーの加入によって、くるりは、久しぶりに会った親戚の子供のように急成長していた。技術的な面でも、明らかに上手になっている。特に、佐藤君のベースがくるりを引っ張るようになったんじゃないかなぁ、というのは大きな発見だった。その辺は、聴いて確かめてくださいね。

くるりは、今がピークなのかと思わせるくらいに、調子が良い。3月14日に、タワーレコード新宿店主催のくるりのフリーライブに行って、それを、私は、間近で見た。「お客がいるの忘れてんじゃないの?」と小声でつっこみを入れたぐらい、彼らは、気持ち良さそうにプレイしていた。身体をくねくね動かしながら、四人が全員のリズムを感じていて、「俺ら、最高や!」という匂いをプンプンさせていた。

あれは、自画自賛ライブだ。尊敬する歌人の枡野浩一さんのお言葉「ひとりよがりのセックスもあるし、まわりの人を楽しませるオナニーもあります」(「かんたん短歌の作り方」より)を思い出した。

『アンテナ』の中で、岸田君の綴っている言葉は、とても的確だと思う。私が言いたいことでもあるし、私が聴きたいことでもある。いずれにせよ、ここには、私が存在してくれる。私の入る余地がきちんと用意されている。私も、自画自賛の仲間に入れてくれる。「花の水鉄砲」なんて素敵な単語、自分の語彙にはなかったけれど、きちんとここには、私がいると思えた。

私はそういう歌が聴きたい。そういう歌を広めたい。

楽しいことや暖かいことだけで暮らしていけるはずなんてない。けれど、息をしている間は、そういうことにアンテナを向けたい。常に自分が素晴らしい人間である訳がない。けれど、ちょっとでも良いことができたら、自分をきちんと褒めてあげなくちゃ。アンテナは、そうやって使う。だって、いつでも、どんなとことでも繋がってゆきたいでしょ?

ハイウェイ / くるり
同時期に作られたのに、「ハイウェイ」だけは「アンテナ」に入っていませんので、ご注意を。

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2004/3/15 鈴木 秀子
☆

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久々に『届いた!おかえりなさい!』て感。
『図鑑』以来の濃密さ。
音的には『さよならストレンジャー』に近いのだけど、
ぐるぐると経てきたその時間のようなものが、
のっさりとそこにあって、
その中で自由に、ゆったりと泳いでいるようです。
そうゆう場所をみつけた感がわしわしとあります。
肌に合う水を得た魚。
アンテナから発信されたものは確実に届きました。
心が躍るのです。

さよならストレンジャー / くるり
くるりの1st。

このレコメンド文はどうでしたか?
2004/3/14 anjie
☆

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車でききたい
春です。何故か彼等の曲を聴くと、春を感じるのです。

新たなドラムにクリストファーというメンバーを迎えたこのアルバム。
彼等の音は以前と、何の変わりもなく、私の時間の流れを変えてくれるのだ。
だから春なんだろうなぁ。
彼等の音には、時間の流れを緩やかにする力があるのだ。
それは、声なのかもしれないし、音なのかもしれない。
ただ、私のわかることは、本当に時間の流れが変化するという事だけなんです。
その時間の緩やかさが、私に春を感じさせてくれるのです。

ここ最近、暖かくて、このアルバムを聴きながら電車に乗ってると、
外を見たら、桜が咲いてるんじゃないかってぐらいに春を感じてしまいました。
彼等の音は暖かくて、でも、ぼやけてないっていうか。
飴と鞭が同時にやってくるみたいな雰囲気なんですよね。

暖かいのと同時に切ないんです。
好きな人といるのに、「あ〜、私と彼の距離が遠いなぁ。」
って感じる時みたいなかんじ。
もう一個例えるならば、卒業式とかなんかな?
新生活への希望もありつつ、今まで仲の良かった友達と離れないかん。みたいな切なさかな?
こんなに幸せな季節なのに、なんで私は切ないんでしょうか?
みたいなね。
ちょっと、ヒロインぶってみたくなる感じですわ。

きっと彼等の佇まいも影響してるに違いない。
あ〜、うまく言葉に出来ないんですが、とにかく切ないくせに暖かいんです。
春なんですよ!


このレコメンド文はどうでしたか?
2004/3/14 おばちゃんD
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