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♪ラブソングが神へのラブソングに変わるとき 変わった友人がいる。彼は、幼少のときから、今まで、ほとんど毎日の夕食がカレーライスだという人だ。ある夜、彼が突然訪れ、「ついに結婚するんですよ。」と言いながら、私が出したコーヒーをひとくち飲み、 「このカップのメーカー知ってますよ。有名ですよね。ギーブンチャイって言うんですよ。」と言った。一瞬周囲の会話がとまり、次に大笑いになった。コーヒーカップの側面には、「GIVENCHY」と書かれたロゴがあった。このような彼との中は、私の方が彼を職場に置いて人事異動で転勤になってしまった。それから、4年後、突然、結婚します。と私のところにやって来たのである。私は正直驚いた。ドアを開けた瞬間の変わりように驚いた。まんまるだった頬はなくなり、きりっとした清潔感のある頬に変わり、あごもすらっとした、スピード感あふれるあごになっている。あまりの変わりように、驚きつつも、彼といろんな話しをした。彼はごはんの量を減らし、空腹になると、いつも少量の水を飲んだのだそうだ。そうして、同時に感じたのは、無駄をそぎおとす気持ちよさだったらしい。体重だけでなく、考え方も変わったそうだ。もっとも大切なことを中心において、効率よく仕事ができるようになったと言うのである。常に中心を考えていくと、本物を感じることができると言う。(でも、ギーブンチャイと言ったが・・・) 生まれてきたときは、何ももっていない。誰でも裸のままだった。でも、だんだん自分をよりよくしようと私たちは、いろんなものを身につけるようになった。実はいらないものがたくさんあるのだろう。それらをすべて捨て去れば、本当の自分や魂が見えるのだろうと思う。ビートルズの「NEKID VERSION LET IT BE」はそんなアルバムだ。このアルバムは、ポールとフィルスペクターがすきまのない音の壁をつくって、豪華重厚うるわしのストリングス状態で当時発売されたものから、シンプルなバンドサウンドの無駄のないアレンジにそぎ落とされ発売されたものである。このような状態で本来発売されるはずだったのだ。当時、バンドはギスギスで、あたり散らかすポールの様子が映画「LET IT BE」で描かれているが、ポールは、事実上ビートルズ解散の状態をわかっていて、反対を押し切り、勝手にポールが音の壁にして発売したレコードが当時の「LET IT BE」だった。そのレコードから無駄をそぎ落とした「NEKID VERSION」 バンドサウンドは、あまりにも美しい。どの曲をとっても生き生きとした音の粒が飛び跳ねている。文字どおり、みずみずしい。 あまり好きでなかったポールの「ロングアンドワインディングロード」も、ピアノとシンプルなサウンドでポールの当時の苦しい心境がわかるようだ。これはきっと単なるラブソングではないぞとさえ、思える。「こんなところに、僕を待たせておかないで、ドアの中に導いてほしい」と歌われるラブソングが、まるで、神への救いを求めるゴスペルのように聞こえてくる。もしかしたら、ポールは、ビートルズでの苦悩を、神へのラブソングとして歌っていたのかもしれない。だから、アルバムタイトルは「LET IT BE」だったのかもしれないと思った。苦境の中で聞く(歌われる) ラブソングは、無駄な思いなどみじんもない神へのラブソングに変わるのかもしれないくらいに ピュアなんだと思った。
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