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| これは、ギターにハーブ・エリス、ベースにレイ・ブラウンと若い頃のピーターソンっていうトリオで、第一期黄金時代のライブアルバムなんだ。ドラムはいないんだけど、やる気むんむんなんだよな。熱い演奏! マサちゃんズをやるにあたって、小井さん(小井政都志)、大坂君(大坂昌彦)、そして僕にはみんな違う動機があったんだけど、共通しているのは、70年代頃から日本から減っていったスタンダードを小粋なアレンジでやる、ちょっとしたサビの利いた、でも懲りすぎないっていう音楽をやりたいっていうことだったんだ。小井さんはビル・エヴァンス・トリオとかがイメージにある、大坂君はビ・バップのトリオ、そして僕はピーターソンのトリオが頭にあった。その中でも特に、このシェイクスピア・フェスティバルがね。編成は違うけどね。とにかくなんかひねってあるっていうか、悪くひねってあるんじゃなくて、歌ではできないよさがあるって感じ。 一番最初に「Falling In Love With Love」っていう曲が入っているんだけど。これはミディアムテンポでボイシングっていうハーモニーの感じもすごくよくできていて、ベースがすごくスウィングしていて、テーマテーマにちょっとしたブリッジもついて、遊びも転調もあったりして、すごく自由で、自由なんだけど全体の中から見るときちんと組み込まれていて・・・縛りと自由がいい具合に共存している。若くて表面張力のように張っている感じ、風船がぴちぴちになっている感じっていえばいいかな。そんな演奏なんだ。 初めて聴いたのは、僕が高校2年のときだったよ。神戸のゲームセンターでバイトをしていて、その近くに『さりげなく』っていう、いい感じのジャズ喫茶があったんだ。バイト先のゲームセンターの黒服の人がそこに連れて行ってくれたときに、たまたまかかったのが、このアルバムだったんだよ。3曲目の「Flamingo」っていうバラードでは、サビのメロディをレイ・ブラウンが弓で取るんだけど、下手なんだこれが(笑)ひどい(笑)。あんな神様みたいな人が弓は下手なんだよ。でも、それを平気でやるっていうのがまた感激するんだよ。やりたいものをやるさって感じでさ。上手かろうが下手だろうがその人の表現なんだから、やるっていうのがいいなって子供心にも思ったな。それから、マサちゃんズでもやっている「Swinging On A Star」。あれは、もう何べん聴いてもわくわくする。そのジャズ喫茶に行くたび にリクエストしていたから、身体に結構染み付いちゃった。 大学に入ってから、御茶ノ水のディスクユニオンに行ったら、廃盤になっていたんだけど、ちょうど出ていたんだ、値打ちモノで。当時5000円だよ!仕送り40000円としては5000円はちょっとね・・・。少し迷ったんだけど、買って、そして毎日毎日聴いていたんだけどさ、2週間くらいしたら、スウィング・ジャーナルで1800円盤が出ていたの(笑)。僕はコレクターじゃないから、ちょっと悔しいような・・・安いステレオだったから音はどれも同じに聞こえたしなぁ・・・で、結局今2枚持っているよ。もう30年ほど愛聴盤だけど、すりきれるくらい聴いているのは1800円の方なんだ(笑)。
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