MAGUMIがレコメンドする1枚
これはベーシスト、ジャコ・パス(ジャコ・パストリアス)の名盤です。いまでも彼のベースと同じようなものを弾く人、多いですよ。そんな、影響力のあるすごいベーシストで、もともと、ウェザー・リポートというフュージョンなのかプログレなのかちょっとわからないようなバンドにいた人。
これを聴くと“ニューヨークの香り”がします(笑)。彼は、死の間際、お金が全然なくて、あちこちの飲み屋にツケがたまってしまっていたらしんです。飲み屋に入ると、出て行けといわれていたくらいに酒びたりの生活をしていたらしくて、そういう匂い。それから、超変人ってことでも有名で、「ここに宝が埋まっている」と言って突然、川に飛び込んだり、ライブ・アンダー・ザ・スカイで来日したときには、「裏山に宝が埋まっている」と言って泥の中をもぐっていって、本番中にいきなり泥まみれで会場の客席側から出てきたり(笑)。とにかく変人、そしてベースは天才。そういう人です。
音色も、聴くとすぐにジャコ・パスってわかる。僕も彼のアルバムはたくさん持っているけれど、その中でも、誰もが名盤だという一枚です。落ち着いた曲があるかと思うと、せわしないものがあったり、気が狂ったような4ビートが出てきたり。ウェザー・リポートでの演奏と同じか違うかというよりも、音はもっと整理されていますね。ウェザー・リポートはもうちょっと、特攻みたいな曲が多い。ジャコ・パスも、ジャンルでいうとジャズに入るけれど、ジャズというよりもロック的アプローチが強いように思う。ジャズ・ミュージシャンよりもロック・ミュージシャンのほうが、彼からの影響を受けている人、多いんじゃないかな。
一口にジャズって、難解というか、とっつきにくいとか、おっかなびっくりなところがあるでしょ。そういう意味でも、このアルバムは、入りやすい一枚だと思う。メロディも落ち着く感じのメロウなものも入っているし、適度に隙があって、整理されていて、アプローチがわかり易い。ビートルズの「Black Bird」のカヴァーもあります。オリジナルよりずっと長いんですよ。で、もし、このアルバムを聴いて気に入ったら、ジャコ・パスのほかのものも聴いてみたり、ウェザー・リポートを聴いてみたりというように、どんどん広げていったらいいんじゃないかなと思います。
- LIVE & UNRELEASED / WEATHER REPORT
- ジャコ・パスは「もともと、ウェザー・リポートというバンドにいた人。」
|