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| 2つのスピーカーからまるで3Dのような音像が飛び出してくる、現代音楽におけ る「ステレオ」という概念に大きな革命をもたらしたのが、ビートルズの「サージ ェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブバンド」であることは間違い無い。 有名無名を問わず、手法からジャケットワークまで模倣した作品が山のごとくリ リースされた歴史が物語っている。勿論そこには、サイケデリック・カルチャーに おける時代性の背景がベッタリとくっついていて、ビートルズ自体も時代の流れと 共にレイドバックした作品をリリースしていくのだけれど、ロックサイドからの音 に対する探求は、フラワームーブメントだけに代弁されるものではない。 「サージェント〜」のリリースから1年後、録音に膨大な時間と費用をかけてデ ビューアルバムをリリースしたにも関わらず、セールスは思わしくなく、すぐに解 散の憂き目に会うこととなったバンド、ミレニウム。60年代アメリカのポップスシ ーンで様々なセッションに携わっていたミュージシャン、カート・ベッチャーが様 々なアイデアを具現化するためにバンドを結成し、作り上げたたった1枚のアルバム には、驚くべき音が詰まっている。基本はソフトロックと呼ばれる内容ではあるが、 60年代とは思えない音像のシャープさと、楽曲の趣を殺すことなく、しかし凝りに 凝りまくった効果音がバランス良く配置されたこのアルバムを、批評的な視点から 捉えることの多い今の耳で聴くことは、新しい驚きをもたらすだろう。何よりも純 度の高い音が美しいポップミュージックの中で表現されたという事実こそが、例え 間接的であったとしても、確実に現在の音楽シーンにつながり、影響を与える存在 となっている。音がどこからやってきて、どこから音楽に成り得るのかという探求 は、昔も今もおそらく音楽を志す人間には一生を捧げて取り組むべき命題であるけ れど、既にあの時代に少なくとも「2つの」回答が示されていたことは、覚えてお いてもよろしいのではないでしょうか。(ura from realm mag)
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