「リディアン・クロマチック・モード」なる究極のジャズ理論を生み出し、作/編曲家としてコンセプチュアルな作品を次々とリリースしたジャズ界きっての理論派、ジョージ・ラッセルの代表作と言えば、このアルバムかRIVERSIDE盤「エズセティック」にトドメを刺すが、「エズセティック」の方はラッセルのコンセプト云々というよりも、参加しているエリック・ドルフィーのプレイの素晴らしさが際立っている傑作なので、ラッセルという人の音楽についてどんなだか知りたい人は、とりあえず先にコチラを聴いてみよう。
このアルバムは、大都会ニューヨークのイメージをビッグ・バンドで時にゴージャスに、時に叙情的に綴った大作だ。コルトレーン(ts)をはじめ、フィル・ウッズ(as)、アート・ファーマー(tp)、ビル・エヴァンス(p)、ボブ・ブルックマイヤー(tb)など、新旧東西の実力派を集めた豪華メンツがズラリと並んだクレジットを見るだけでも、このアルバムの内容が伺えるというもの。
ギル・エヴァンスと比類するその繊細でクールなオーケストラ・サウンドは、どこか古めかしいものというイメージのあるビッグ・バンド・サウンドを、先鋭的でスマートなものに生まれ変わらせている。特にコルトレーンは、キラ星のようなメンバーの中でも見事に個性を発揮しており、「マンハッタン」で聴ける堂々たるソロは本当に素晴らしいの一言に尽きる。高度で複雑な楽曲の中で、クールな本領をとことん発揮するエヴァンスもいい。
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2004/8/17 高良俊礼
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