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| デビューアルバムから最近のアルバムまでの中から、厳選された曲のカバーを集めたアルバム。とはいってもいわゆる昔の音源をそのまま収録したのではなくすべて新録されたものである。 今回、全曲アレンジと演奏を担当させてもらった。このアルバムで特出していることはすべて本人の声と20人の管楽器のみによるレコーディングということ。つまり息を使って音を出し、個々が単音しか出ない楽器(ある意味では美奈子さんの声もそうだといえる)のみの編成。なのだが、このコンセプトでは、楽曲がスローテンポであれば比較的、アレンジや演奏面で苦労することはないのだけれど、いわゆる「Funk」ものなどのビートを強調していた楽曲をこの編成でアレンジ、演奏するのは至難の技だった。とにかく透明度、純度の高い音色を求めた結果、クラシック界の中堅〜若手のプレイヤーに参加してもらった。カバー楽曲をリアレンジするに至り、オリジナルアレンジが染み付いている自分にとって、あらたなアレンジをするのは大変だったが、いったん歌のメロディだけを抽出し、この歌しかない状態で管楽器でデコレイトしていったことによってオリジナルアレンジとはまた違った感じになった。 今回のレコーディングを通して、この管楽器だけのアンサンブルの可能性を再認識したとともに、美奈子さんがベルベットのような管楽器アンサンブルの上で自由に歌う場面もあれば、アンサンブルと完全に同化して管楽器とまるで区別がつかなくなるような瞬間があり、「声」も管楽器と同じように出す「息」で空気が振動しているということを再認識した。 「吉田美奈子」恐るべし。
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