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| 「変な名前」というのが、最初の印象だ。蝸牛と書いて、エスカルゴと読ませる。 男性ソロアーティスト。どこかの雑誌のインタビューで「自分の殻をいつも持ち歩いているのが自分みたいだから」という、わかったようなわからないような命名の理由を言っていた気がする。 作品は面白い。最近の日本の男性アーティストには、「歌いたい言葉」が無い人が多過ぎると思って久しい僕にとって、とても刺激的な歌詞と旋律だった。 自分の足が臭いことをモチーフに、「僕には君にまだ伝えていない すっぱい部分があるからさ」と投げかけて「君のにおいだってちゃんと受け入れるからさ」(『足のにおい』)という求愛に驚かされ、「本当は君なんてどうでもいい女なんだ」「今の内そうやって僕にツバをかけてればいい」(『ロープ』)ってうそぶいたかと思うと、「君は綺麗でなくていい 料理も下手なまんまでいい」「冷え性の君の体温を忘れさせないでいて欲しいんだ。」(『最後の一つ』)と女泣かせな台詞も吐く。 1年半ぶりの新作が届いた。明らかにパワーアップしている。声質がぶ厚くなり、独特な世界観は深まりながら、ポップスの線を外していない。 今日的な街の景色を歌いながら、普遍的に心に響く歌。蝸牛が殻を破って、社会に出る日は近い。 ※文中の楽曲は「slow life, slow music」に収録されています。
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シンガーソングライターというのは、当たり前だけど 自分で詩を書いて、演奏して、歌うアーティストを指す。 だから”自身”というものが曲に染み付く割合もかなり高い。 蝸牛もそのなかの一人で、この『ブルースを歌えない』も 彼とうものがどっぷり染みこまれたアルバム。 染み付けば染み付くほど面白い。 おでんと原理は一緒だ。たっぷり染み込んでいる方がいい。 アルバムと同様のM1の”ブルースを歌えない”は ブルースを歌えないことの葛藤の歌なのに、何故だか可笑しい。 口のこうが自然と上がっちゃったし、変な高揚感が生まれてきた。 爽快?愉快? その感覚を味わいたいがために、またトラックを回してしまう。 五分ほど続くやや長い曲だけど”How do you think ?”と 語りかけながら繋ぐ彼の妙な意思表明は アコースティックギターが刻む明るいグルーブに乗って 一度耳にしたらなかなか消えそうにない。 濃厚だからね。やっかいものだ。
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