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| 問答無用、ジャズトロンボーンの父、J.J.ジョンソンの1963年のアルバム。 タイトル通り全編ブロードウェイで使われた曲で構成されたコンセプチャルなセッショ ン。 今から15年程前、私は渋谷毅さん、坂田明さん、片山広明さん、原田依幸さん、石渡明広さん、千野秀一さん、篠田昌己さん達、当時「フォーム」にこだわらない前衛的なバンド、セッションに参加していたのだが、この形体で数年演奏しているうちに「フォーム」に対して非常に関心が高まった。つまり、ある一定のルールの中での「自由」を求めるということだ。それまでジャズトロンボーン奏者であるにも関わらず、J.Jに全く関心がなかったのだが、この時期から急速にJ.Jの演奏スタイル、ポリシ−に入り込んでいった。 具体的にどんなところが惹かれたかというと、まず非常に演奏する以前の段階(つまり、作曲、アレンジ、メンバー選択、フレージングの構想)の構築美、クールさ、それに対して演奏は非常にホットという部分。 彼の曲、アレンジ、ソロは非常に練られて作られたもので、ある意味構築美の境地といってもいい。このアルバムは曲によっていくつかのフォーマットで演奏している。J.J+4トロンボーン、J.J+4トロンボーン+bs+drs、J.J+4トロンボーンbs+drs+pf、.J+pf+bs+drsと見事に曲のコンセプトで編成を使い分けている。結果的にアルバムを通して全曲トロンボーンがメインの音楽であっても飽きない。(これとっても大事なことだと思う)4トロンボーンのアンサンブルでも曲によってミュートを使っていたり、ベースもピアノの音使いもかなり具体的に譜面で指示されているのがよくわかる。そういったサウンドをすべて包括してJ.Jサウンドなのだ。 一時期、彼と2トロンボーンのチームを作って活動して、人気を二分していた白人トロンボーン奏者カイウィンディングも今回のようなコンセプチャルなアルバムをたくさんリリースしていたがカイの場合、アレンジは本人ではなく、職業アレンジャー(トロンボーン奏者でない)に委ねられているせいかそのサウンドがカイのサウンドという感じではない。極端な比較をしてしまうとJ.Jが重く、地味なのに対してカイの方は軽くで派手といった感じであろうか。 このアルバムはとにかくどの曲のどの部分においても丁寧なのだ。彼の生前、一度対談させていただいたのだが、彼の語り口、仕草どれをとってもインテリジェンス溢れ、ビジネスライクでない生粋のクリエーターという印象で、彼の演奏、作品すべてにシンクロする。 思い切りJ.Jにはまっていた時代に片っ端からJ.Jのアルバムを収集したのだが、当時(15年程前)はアナログの中古を探しまくるしか手段がなかった。このアルバムも大枚をはたいて仕事で滞在していた大阪にある中古レコード屋で手に入れた。ここ10年ほどトロンボーン奏者のリーダーアルバムは聴かなくなってしまったが、このCDが世界初CD化ということで何となく再び購入して聴いてみてかなり懐かしさを感じつつも未だにサウンドは新しさを感じた。このアルバムから学ぶこと多しである。また「クール」と「ホット」の絶妙なバランスには恐れ入ります。
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