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「幻の名盤探求」まさにそんな言葉がピッタリの2002年のCDリイシュー。おそらく地元ハワイ以外ではほとんど知られることのなかったアルバムだったのではないかな。ニューヨーク育ちのハワイアン、リチャード・ナットの80年リリースのファースト・ソロ作。様々な音楽を吸収しきった彼の繰り出す懐の深いサウンドは、我々の「ハワイアンミュージック」に対するある種の固定観念みたいなものを見事にくつがえしてくれます。 主にガットギターを使用しているという彼の優しくまろやかな弾き語りをメインに、もう一本のギターや時にはベースをすべて一人で重ねていく。ナイロン弦で奏でるメジャー7thの響きの美しさ、優しいボーカルとソングライティング、そして「ハッ」とするようなコード進行やギターの強弱を巧く使ったキメなどなど、聴かせどころをすべて知り尽くしたかのようなキラリと光るセンス。スティーヴン・ビショップのカバー「Bish's Hideaway」から始まるノッケの美メロ3連発は、アコースティック・ファンのみならず全音楽ファンにぜひ聞いてもらいたい。聴き進めていくうちに曲のスタイルは広がっていくものの、最後はまたメロウなナンバーに戻ってきて、ラストはバカラックの「House Is Not A Home」のこの上なく美しいカバーでこのアルバムは幕を閉じる。 「一人録音」というと、ある種閉鎖的なイメージがつきまとうもの。しかし彼のサウンドに関しては全くそんなことがなく、むしろ開放感が満ち溢れているんですよね。そこがハワイという素敵なバックグラウンドを持つ音楽の不思議な魅力なのでしょう。
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