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おせっかい / Pink Floyd
2000.8.30 TOCP-65557 ¥ 2,548 (税込) CD
吹けよ風,呼べよ嵐 / ピロウ・オブ・ウインズ / フィアレス / .サン・トロペ / シーマスのブルース / エコーズ 


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冬の陽光は低い。そしてやわらかい。

低い角度から窓をすりぬけてテーブルや部屋の中までやわらかい陽光が
入ってくる。
陽光はテーブルや床の板に反射し、日頃、日の光が届かない天井や冷蔵庫の
すみなどを幻灯機の光のようにぼんやりと照らしてくれる。
その中にぼーっとして陽光の光の行く道を見ているととても落ち着いてくる。

「おー。光はどこにでも入れるんだ。窓だって通すぞ。
 ブレイク・オン・スルー・ジ・アナザー・サイドじゃないか。
 むこうの世界へつきぬけろ!って、まるで、これは、ドアーズだ。」

などと考えはじめるともうよくない。
そんなときは大体、思考力も行動力も意欲もなくなっているときが多い。
身体もだるく感じて何もできない。
仕方がないので、コーヒーを入れる。煙草に火をつけて、

「このコーヒーを飲んで、この煙草が終わったら、あれと、それと、これを、
 しよう。そうだ、ボブディランもあの名曲、ワン・モア・カップ・オブ・
 コーヒーで歌っていたじゃないか。
 もう一杯コーヒーを飲んだら、この谷を降りよう。と。」

でも、同じように言葉だけがからまわりして身体も心も動かない。ふらふらと
オーディオの前に行って、また、外の冬の陽光を見ながら、ぼんやりと半ば投
げやりのようにして、CDをばらばらと探す。なんだか、どれも冬の陽光に
溶けていってしまっているようで、何も触手が動かない。
おかしいな冬は好きなのに、、、、、

「どうせ、この際、何もできないだろうから、日頃聞かない長い曲でも・・。」
ラヴエルのピアノ曲やジャズを流してみるけれどなんだか、ぼんやりしてしまい
何も感じない。途中で、あれこれCDを交換しているうちに、
流れはじめた曲はピンクフロイドの「エコーズ」。

アナログの粒子が空間に漂いはじめ、いろんなものが見え始める。何かの扉が
開き、そこから、手まねきされるように、吸い込まれていく。

これは水滴の落ちる音?
雨がはねる音?
光の反射?
氷の結晶ができる音?

青い、蒼い世界へと自分が入っていくのがわかる。
幼い頃の映像や目の前の風景が次々と入れ替わって見える。

風を感じ、夜を感じ、朝日を感じ、海を感じ、空を感じる。

緑なす木々の動き、いろんなものを肌が感じはじめる。
でも、動けない。じっと。ずつと、このままで、音の中にいるだけ。
曲はどんどんと違う風景を変えるように、いろんな世界を見せはじめる。

私はただ生きているだけ。
私はただここで生きているだけ。
生きる理由などいらない。
ただ生きているだけでいい。
そんな浮遊感で音の中にじっとしている。

曲は「狂ったダイヤモンド」になった。
『輝け、狂ったダイヤモンドよ。私たちがそこへ辿りつくまで・・・』
と歌われる。
かつてのバンドのメンバー、シドバレットが狂気の世界に行ってしまった
から、彼へ向けられてバンドは歌っているのだけれど、、、、、、

まるで、私が世界から孤立して狂気の世界の中で何も知らないで生きている
ように感じる。

まるで、映画「マトリクス」のようだ。グリーンの光が流れていく。
そうして自分というものをまったく知らないことに気づかされる。
こんなにアナログで古いバンドの音がなぜ、こんなにせまってくるの?
やはり、アナログだからだな。などといろんな言葉がわき起こり、消える。

やがて、『あなたがここにいてほしい・・・』と歌われる。
フロイドが歌う、あなたとは、本当の自分のことじゃないのか。
あなたとは、本当の私のことじゃないの?
と言葉が心をよぎって、また、消える。。。。。。

ピンクフロイドというバンドにはいろんな研究書や論文のようなえらそうな
ものが出版されたり、WEB上でも、まるでお勉強会のように原稿が山ほど
ある。でもそんなことはどうでもいいいんだ。この音の中に居ればいい。

最後のアルバム「原子心母」を聞き終えてわいてきた思いは、
かつての職場で物理学が得意なK氏に質問されて答えられなかった言葉だった。

K氏:「なぜ、原子は陽子の周りを回り続けるのかわかりますか?」

私:「陰と陽だからですよ。」

K氏:「いいえ、陽子が愛だからです。」







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2005/1/9 おんぴこりん
☆☆

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