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ANTOLOGIA / Madredeus
2000.7.12 TOCP-65602 ¥ 2,548 (税込) CD
海と旋律 / 願い / 希求 / たとえ何があっても / ギターラ / 春のつばめ(プリマベーラ) / モーラリーアの空 / アソーレスの島々 / 未来の霧 / 海を離れて / 海 / アルファーマ / 天につづく道 / 炎の輪舞 / 海 / アインダ(今も) / テージョ川 


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この曲に出逢ったきっかけは友だちに「ファド(FADO)っていう音楽を知っている?」って聞かれたことがきっかけなんです。その時、私は全然知らなかったんですけど、ファドは、ポルトガルやスペインの生活に密着したところから生まれた音楽だと教えてもらって。そしてまず初めに、ファドの女王と言われているアマリア・ロドリゲスのCDを聴いたんです。彼女の曲は、すごく渋いっていうか、哀愁漂うって感じ。行ったことがないのに、スペインの酒場の映像が浮かんでくるくらい(笑)。

その後に、ファドを根底に持ちながら、現代の音楽と融合させて作品を出している、マドレデウスの曲を聴いたんです。聴いた瞬間、自分の中でずっと好きだと感じていた表現があるなって思ったの。ラテンテイストとか、熱い感じとか、情熱的なものっていうキーワードでしか言えなかったものが、「あっ!これだったんだ」って合点がいったの。

日本は、島国だからあまり国境っていうのを身近に感じないと思うんだけど、ヨーロッパはすごく身近に国境があって、日本に住んでる私達よりももっとリアリティーを持って感じていると思うんです。だからこそ、政治的に虐げられることも、侵略されることも身近に感じてきたと思うし。そういう場所や生活の中から、ファドという音楽は生まれて。男性は戦争に行ってしまったり、基本的に外に稼ぎに行ったりするので、残された女性は村や生活や国さえも守らなくちゃいけない。そういう女性の心情を歌っているものがとっても多い気がします。

アマリア・ロドリゲスの歌には特にそういうものを感じます。ジャズでいうと、ビリー・ホリデーみたいな感じなのかな。ビリー・ホリデー は、“ストレンジ・フルーツ”の詞の内容然り、綺麗ごとばかりじゃなくて、「人間が生きている中で生まれてくる音楽」という感じ。アマリアロドリゲスもその感覚にすごく近い気がするの。

私は、その気持ちを100%理解することはできないけれど、それが歌になって出てくることに対して、リスペクトできるんです。ブルースやファドは人の生活の中から生まれてきた音楽だから、楽しいことばかりでもないし、哀しいことばかりでもない。それらが自然に混ざっていて、すごく明るい歌でもその明るさは、根底に哀しいことを知っているから出てくる明るさだったり、哀しさも、楽しいことを知っているからこその哀しさだったり。とにかく喜怒哀楽が溢れていて、感情の深い面で揺さぶられる所がありますね。

そして、マドレデウスの音楽からは、ファド本来のものと音楽を現代の音楽と融合させているところに温故知新を感じたの。私自身も、黒人のブラックミュージックが好きで聴いて、それをベースに自分がリアルタイムで聴いている音楽や、今という時代を取り入れて曲を作っているので、共通するところがあると思ったんですよ。とにかく、一枚のアルバムから”人の体温”が感じられるようなものが好き。温かい音楽が好きだとずっと感じていたけど、それは、いろんな音楽との出会いだったり、いろんな人との出逢いだったりの中でだんだん分かってきた気がします。漠然としていたものが、ファドと出会って衝撃を感じたから。

余談になるけど、知人とこのCDを聞いていたら、前世の話になったりもしたのね(笑)。ファドを聴いて、自分の中で合点がいったってことで、「それって前世かな」みたいな話になって。私は以前、前世が見られる占い師さんに「スペインの田舎で皆ががっかりしているのに、くるくる回って踊っている人だった」って言われたことがあるんですよ(笑)。それって、もしかして、今自分が音楽をしていることに繋がっているのかなって思ったりもしますね。前世とかって、不確かなものだけど、夢があって良いですよね。こういう話、私、結構好き(笑)!!

とにかく、そういうスピリチュアルなことまで感じさせられてしまうような一枚。音楽はそれぞれ感じ方が違っていいと思うし、自由なものだと思うの。このアルバムから他の人はどんなことを感じるのか興味あるなぁ〜。今こうしてお話していても、ここにいる人達それぞれから、とめどなく沢山話が出てきちゃいますしね(笑)。それって、音楽の素晴らしいところの一つですよね。

Tina / Tina
Tinaが2004年に出したミニアルバム(「Tina」KICS-1110)で、“fantasia”というタイトルでカバーしたうちの一曲がこのCDに入っている「海と旋律」(邦題)という曲なんです。

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2005/3/29 Tina
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