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| 「元祖」が繰り出す音楽ってすごいなあ、、、と、思います。 パンクにしろ、ジャズにしろ、ヒップホップにしろ、 創った本人たちにその気があるのか知りませんが、 どこをどう聴かせたい、という筋がものすごく通っている気がして、 聴いていて、圧倒的な説得力を感じずにはいられない事しばしばです。 ボサノヴァを、初めてギターで表現したとされる、この ジョアン=ジルベルトもまた、そのひとり。 彼と言えば、とかく「イパネマの娘」をイメージして終わってしまう ことがよくあり、とても残念です。 その「イパネマの娘」から7年後。 つまり、当時あれだけ流行ったボサノヴァもすっかり人気をおとし、 くわえて、ジョアン自身も離婚や指の不調により、人生の我慢時を迎えています。 このアルバムは、そんな中、ややふらふらになりながらメキシコに流れ、 周りから「哀れ」といわれるような生活の中、生み出されたのもの。 不遇のあまり、開き直ったんでしょうか、 このアルバムから、彼の生活の哀れさはみじんも感じません。 それどころか、生涯屈指の名盤を創ってしまいます。 一番の聴き所は、やはり彼の声とギターでしょう。 呟きにも思える彼の繊細な声に、ばっちりしなやかに沿う、 ギターのコード、リズムワーク。そしてそれを全面に押し出すアレンジ。 疲れた時は、ぼんやり聴け、気張れる時は、音の隅々まで聴いて鳥肌もの、、、 あらゆる状況に対応出来る逸盤でしょう。 日本ボサノヴァ評論界の重鎮、板橋純氏のライナーノーツも素敵です。 メロディの流麗さとか、演奏技術の複雑さだとか、 そういうものを超えた、「強さ」を、このアルバムからは感じます。 音楽が、欲しがっているもの、呼んでいるもの、 すべてこの元祖はこのアルバムで教えてくれています。 がろん南
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