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数あるブリティッシュ・フィメール・フォークの作品の中でも異色の 輝きを放つ一枚です。 こんな作品が埋もれているイギリスという国のフォークの奥深さを思い 知らされると同時に、それを発掘するレコード・コレクター諸氏の根性と パワーにはと改めて感服せざるを得ません。 長らく英国フォークを聴いてきた方でも滅多に出会うことのできない 部類の音楽で、最小の音でありながら、信じられないくらい聴くものの イマジネーションを膨らませてくれます。 伴奏はほとんどがアコースティック・ギター1本で、それをバックに 淡々とそして切々と歌い上げるもので、彼女自身が旅をしながら作り 上げたというだけあって、珠玉に満ち満ちています。 彼女の歌声は、他のブリティッシュ・フォークのような天上の響きでも、 天使の歌声でもなく、地味に耳元でささやきかけるようなものですが、 素朴なるが故に逆に感情の琴線にダイレクトに響いてきます。 森や野原を風にふかれて歩いた遠い昔を思い起こさせてくれるような メロディです。 最近でこそ再発盤が発売され、気軽に耳にすることができるように なりましたが、一昔前はレア盤中のレア盤として、長らくマニア垂涎の アイテムでした。この素晴らしいジャケットと、更にこの内容では、 欲しくならないわけがないだろう!と思います。 どの曲がどうというわけではなく、気持ちがささくれだった時、心が 病んでいる時に聴くと本当に癒されます。昨今のサラリーマン諸氏には たまらないハズです。 曲調はどれもよく似ていますが、飽きずに最後まで一気に聴けます。 気合を入れて聴くような類の音楽ではありませんが、それでも絶対に、 単なるBGMにしてはいけないような、いわば『高尚な』作品なのです。 こんな作品をフィリップスが出してくれた事にも驚きです。 近年彼女の作品が再評価され、それに伴い35年ぶりの2ndアルバムを発表、 しかも来日まで果たしました。2ndアルバムも本作に比肩しうるくらいの 素朴で素晴らしい作品となっています。
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