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ふたつの朝 / おおはた雄一
2006.3.8 WPCL-10258 ¥ 2,999 (税込) CD
Intro / Rambling / ふたつの朝 / トロピカリズム / ハリケーン・ドロシー / ホーボーへ / 1920 / 密漁 / Sun Child / エゴトレイン / Naked Song / ふたりの音楽 with 持田香織 / 君がいたなら 


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春爛漫ですね。(これを書いたのが4月)季節がしみじみと心に響くのも、オトナだからこそ。ですね。
コドモは季節感あふれるコメントが苦手です。「春だね。」なんて言われても、「それがどーしたっすかー。かんけーねーし。」としか心に浮かばないようです。浅い悩みと浅い欲望と浅い焦燥に駆られていると、季節は見えないのですね。

今回は、心なごむアコースティックな空間をご用意しました。
個人的に、この「なごむ」とか「アコースティックな」とかって言葉、でーきれーなんっすよ。うざいし。何かってっていうとこーゆーこと言えば、肯定的な気がする、っていう、その安易な発想がサムいんだよ。
おっと、こんなお子ちゃまな発言はいけませんね。失礼いたしました。
しかしながら、アコースティックと銘打って、ただ電気的な回路を用いない楽器を、全くなんの芸もテクニックも、また卓越した発想もなしにかき鳴らして、ありがちな歌を歌ってすましている。そういうアコースティックな音楽も世の中にはあふれていまして。
そういうの聴くと、ワタシなんかめちゃくちゃにいらついて、「なごみ」からはほど遠い心境になってしまうのですが…。

で、ご紹介したいこちらのアルバムは、おおはた雄一さんの「ふたつの朝」です。ギター弾いて歌ってるんですけど。なんでしょう、この、確かな豊かさは。
経験やイマジネーションにきちんと裏付けられているプレーに、とてもなごみます。そして、フレッシュな感性がきらり、としてるんですね。
声が透明で優しくていいなあ。
ブルースが好きで、ブルースバンドを組んでらしたそうですが、そこら辺のルーツがよく聞こえてきてそれがまたとても気持ちいいです。
いい意味で、金太郎飴のようなアルバムです。どの曲も同じ。ですから、同じ気分のまま、のんびりと小一時間を過ごせます。そこもステキです。
中途はんぱな田舎の国道をドライブしながら、田んぼと、壊れかけの自販機と、夕陽と、トタン屋根と、ラブホテルの看板と、それらがループのようにぐるぐる回りながら、心がゆったりとなごんでゆく、そんな時間が過ごせますね。今の時期ならそこに葉桜を追加してもいいんじゃないでしょうか。

それもこれも、ただ「アコースティック」でやってるだけなんじゃない、ていねいに計算された音づくりの執念があるからこそ、なんですね。そして、そんな計算を感じさせない、自然な空間があるんですね。オトナなんですね、そこが。
それから、蛇足ですが、スチールペダルがさまざまな箇所でフィーチャーされていて、それがとてもとてもいい。いい音楽はいいプレーを呼ぶ。そのいいお手本だと感じました。


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2006/5/16 種ともこ
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