|
|
|
|||||
2人がレコメンドしています |
自分もレコメンドを書く |
|
| Recommend!! | ||
|
サド・ジョーンズの「ザ・マグニフィセント・サド・ジョーンズ Vol.3」は、”味わいの良さ”なら超一流。聴く毎に気分をふんわり盛り上げてくれる、素敵といえばこの上ない素敵が、後から後から滲み出てくるアルバムだ。 サド・ジョーンズは、トランペット奏者としてはかなり渋い、燻し銀の魅力を持っている。モダン・スタイルのトランペッターでありながら、より素朴で泥臭いR&Bのテイストや、バップ以前のスイング・スタイルの名残りも感じさせる。 かといっていわゆる”コテコテ”ではない。決して派手な立ち回りを演じることなく、ややくすんだ音色で丁寧にフレーズを繋いでいくその職人気質の吹き方には、さり気なく漂う知性と風格が、穏やかで和やかな感動を覚えさせてくれる。 トランペットについてはそんな感じで実に「渋い!」「大人!」としか言いようのないサド・ジョーンズだが、彼がもしかしたらトランペット演奏よりも得意とするアレンジについては、それに輪を掛けて「渋い!」「大人!」である。 1954年にカウント・ベイシーの楽団に、トランペット奏者兼作曲家兼アレンジャーとして招かれてから名が知られるようになったジョーンズは、鉄壁とも言えるモダン・ベイシー・サウンドを作り上げ、大いに名を挙げた。ついでに言うと、1978年にドラマーのメル・ルイスと双頭ビッグバンドを結成し、スイングなどほとんど忘れ去られていた70年代後半〜80年代に大いに話題になり、その後ベイシー亡き後のベイシー楽団のリーダーを務めているといった具合に、生涯のほとんどをビッグ・バンドに捧げ、アレンジの可能性を追求した専門家である。 1956年から57年にかけて録音された本アルバムは、ジョーンズ得意のアレンジの妙味を、コンボ編成で楽しめる1枚。その前に録音/発表された「ザ・マグニフィセント・サド・ジョーンズ」も、コンボ編成での名盤だが、続編のコチラはさらにグッと味わいを凝縮した、奥深い作品に仕上がっている。 ジョーンズ自身のトランペットもそうだが、アルトのジジ・グライス、ピアノのトミー・フラナガン、トロンボーンのベニー・パウエル、更には実弟のエルヴィン・ジョーンズのドラムスに至るまで、全ての演奏が実に大人。実に渋くてカッコイイ。 隅々まで気配りの行き届いたジョーンズのアレンジは、派手さよりも各々の楽器の味わいと、プレイヤーの控え目な個性を絶妙に混ぜ合わせた小皿料理だ。十分な音の隙間と早すぎず遅すぎずな小粋なテンポの楽曲が、プレイヤー達の肩をポンと叩き、コクのある堅実な演奏を引き出す。そういった”コク”の緩やかで和やかな集合体が「ザ・マグニフィセント・サド・ジョーンズVol.3」というアルバムなのだ。 フタを開けるとそこに夜がある。針を落とせばそこから夜が始まる。そんな感じの、濃厚な都会の空気が、絶妙なアレンジと各プレイヤーのまろやかな個性のブレンドによって綴られているこのアルバム。最初から「ガツン!」と来る保証は10%もできないが、こういうアルバムの良さが身に染みて来た時、アナタはジャズという音楽の、本当に尽きない味わいの素晴らしさに気付くだろう。
|
|
|
|
|
(C)Copyright 2002. All rights reserved by RespectMusicJapan webmaster@recosell.com |