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聴き覚えのある旋律。 それは、 遠い昔の芸能音楽が、あるものはその内の特徴的なフレーズが、あるものは部分的な旋律が、あるものは一曲まるごとが、'引用' され '整理' され '洗練' されのちの音楽、曲として成立していったから。 昔の芸能音楽は、自由に可変するリズムで(ピアソラを思い起こす)、長さも自由で(つまり都合や事情により旋律を足したり引いたり繋いだりが自由に行われ)、そもそも旋律自体があまり決まってないし '引用' や '整理'、追加なんて当たりまえのように日々行われていて(一定の旋律、リズム、曲名に定まっていくのは五線譜が普及してからだろう)、さらに、"音楽" だけが単独で行われることはまずなく、踊りや祭りや大道芸や芝居といった(いわゆる 'ハレ' の場の)芸能と共に、あるいは家で一人で口ずさんだり子どもに聞かせ寝かしつけたり、近所の集まりで、炭鉱や木を切りながら牛を連れながらその他仕事場で声を合わせたりといった形で、引き継がれてきた。 のちに、その一部が、ロウ管に、そして SP, LP に記録され、またラジオによって、これまでとは段違いに速く広く伝わるようになり、やがてそのレコードのための音楽がつくられるようになる。 だから、今この CD を聴くと、聴き覚えのある旋律が幾度となく出てくる。少なくとも百年、おそらく百数十年、ひょっとすると数百年、千年の時の流れを漂い、今も聴く人の心を揺さぶる。 アメリカン・ミュージックの原点は、もちろんアメリカにあるわけはなく、いろんな地域から流入した音楽をアメリカ人が行ったものが中心で、そしてどの曲も 3分弱でそれは SP の枠にはまったものからである。Part 1 は大衆音楽、Part 2 はダンス音楽をとりあげている。選曲、そして解説はもちろん中村とうよう氏。
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