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< 子供に負けた、と思う瞬間を具現化したバンド > 日本のブリッド・ポップ界の申し子、プリスクール。 バンド名を直訳すれば「学校に入る前の子供」つまり、幼稚園児。 彼らはとにかくハチャメチャだ。 曲名をみるだけでも彼らの破天荒ぶりが伺える。 あるときは、ロックンロールハイスクールの生徒になりロックの全てを学び、 またあるときは、火曜日なんてない!と叫び、 痩せた男と太った男のそれぞれの苦悩を面白おかしく歌い、 天井に唾を吐いてそれが落ちてくるのを待っているダメな少年のウタを歌い、 またあるときには、ハローのことをハルーと言ってみたり、 とにかく、ありきたりなものが、彼らには当てはまらないのだ。 ありきたりなものに対する嫌悪感をブリティッシュロックで調理すれば、 見事にプリスクール風混ぜご飯の完成だ。 そんな彼らの感性に、青春時代から魅了され続けた私は、 ありきたりな学校教育に嫌気が差し、 学校を飛び出したり、そのままオトナになって職場を飛び出したり、 まぁとにかく彼らのせいとは言いたくないが、 破天荒な人間になった。 彼らに出会う前の、冴えない中学二年の私を思えば、 今の自分のほうが数倍好きだ。 何故かといえば、破天荒で居たいという私の欲望を、 彼らが具現化してくれ、また後押ししてくれたから、 本来の破天荒でハチャメチャな自分に出会えたのだ。 彼らの音楽には底知れぬ魔力が潜んでいる。 1999年にノストラダムスの大予言で地球が滅んだとしても、 彼らの音楽は宇宙人達に愛聴されるだろう。 決してマス向きな彼らではない、それゆえに、 一部のコアな生物から溺愛されるのだ。 中学時代、洋楽を一切聴かなかった私の英語の成績が、 グングンあがって塾講師を驚かせたが、 それも日本のバンドであるpre-schoolが英語で歌っていたからだ。 彼らが日本語で歌っているバンドだったら、 私の英語の成績はずっと偏差値40だっただろう。 20もアップしたのはプリスクールのおかげである。 怪しげな新聞広告のあなたの耳が変わる英語教材CDを買う暇があるなら、 pre-schoolの帰国子女であり紅一点のEco女史が書いた歌詞を読んでもらいたい。 血眼になって読めばまさしくそれはあなたの英語に対する意欲を高め、 今後のロックシーンに対する考え方をガラリと変えるだろう。 とにかく面白い日本語訳を読める彼らの歌詞カードは、 本当に分厚い。一冊の本のような厚みがある。 普通のCDといえば、ただの円盤に薄っぺらい紙切れと、 適当に映されたアーティスト写真が入っているイメージ(それが普通で、 悪いといっているわけではないのです、決して)だが、 このアルバムの初回盤を手にとっていただいたアナタなら分かるだろう。 彼らにとって、CDとは写真集であり、小説であり、エンターテイメントなのだ。 手にとっただけで、彼らのCDは、他のCDとは違うという驚きがあるはずだ。 彼らの音楽を聴いて、海外の音楽に思いを馳せた私は、 彼らの教祖とも言われる、ブリティッシュロック界の大御所blurを聴いてみた。 確かに素晴らしいクレイジーなビートだったが、 なんとなく自分の中には物足りなさが残った。 それは何故なんだろうと思いながら、 プリスクールを再び聴くと、 足りないものがここには全部あるじゃないか、と思った。 そうだ、プリスクールを聴こう。 感情の枯渇した自分のハートに届く、 日本人による日本人のための風変わりなこのロックを。 聴いたら燃えるどころじゃない。 ありとあらゆるものを燃やし尽くしてなお、 プリスクールは炎上し続ける。 MAN-HOOD-MANのPVで大洪水になりながらも、 ギターを濡らしながら絶叫する彼らを観て思うように、 彼らは常に燃えている。 人生というものに何度も何度もマッチを擦り付けて燃やしている。 刺激的じゃないなら、自分で刺激を生み出すのだ、 と彼らに教えてもらった10代の私は、 楽しくなければ人生じゃない!という彼らのpeacepact(平和条約)を 守り続けている。
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