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| 実に4年10ヶ月ぶりとなるアルバム『LAS VEGAS』。 彼女の特徴である切々とした歌詞と歌声は以前より深みを増し、 プロデューサーである小林武史のアレンジにより一層音に磨きがかかっている。 ピアノとデュエットしたシンプルな曲もあればフルバンドサウンドの曲もあり、 とても聴きごたえがある。 今までの鬼束ちひろとは少し違う表情を垣間見られる1枚だ。
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久々のオリジナルアルバムです。 僕は彼女の事を一番最初に気にかけたのは ユーミンの「守ってあげたい」のカバーをした時でした。 その暖かい包容力のある歌声は、本当にあの鬼束か?と思ったけど 一気に引き込まれていったのを覚えています。 そしてその後「私とワルツを」で更に好きになりました。 でも、僕にとっては、どちらが本当の彼女なんだろうと 未だに困惑するような感覚があります。 今回のアルバムは小林武史をプロデューサーに迎え 今までのサウンドアプローチとは かなり異なったものに仕上がっています。 1曲目の「Sweet Rosemary」からほのかにカントリーな感じの 優しくてなつかしさもあるあったかい曲調。 そこに「人生は長いのだろう」とそれを旅する主人公の 少し切ない、でも前を向いている姿が歌われていますし、 「蝋の翼」では、軽快なロックサウンドの中で 穏やかな強さを身に纏った彼女がいるように思います。 この曲は個人的に「私とワルツを」と被る部分があるが あの曲に感じるような悲壮感はここにはなく、 むしろ崩れそうになっても、お互いが支えあう そんな二人の姿があるような気がしています。 エッジの効いた「A Horse and A Queen」は ホーンセクションがあったりして、彼女には珍しいサウンド。 その中で彼女の心はアグレッシブに変化していて 絶望の淵で倒れこむのではなく、そこから誰かを救い出す程に 彼女の心はこの歌の中ではタフな姿を見せてくれています。 そりゃあ、全てが前向きな歌ではありません。 っていうか、そんなの嘘になってしまうと思うし。 でも、虚無や絶望や失望の前で、ただ立ち尽くしたり 倒れ込んでいるだけのような弱さは薄れようとしている。 その全てを語るのが「Angelina」の歌詞だと思った。 この空白は私だけのもの 孤独も弱音も全て 私が愛さなくて誰が愛する? 彼女はひとつの答えを見つけ、歩き出したのだと思う。 彼女はそれを歌い始めたのだと思う。 まだ弱々しくてもいいじゃないか、これが今の自分だと そう投げかけてくれているような気がしてしまう。 そして僕はそれを喜ばしく思うのだ。
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