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ブルースの再発では他の追随を許さない、日本が世界に誇るレーベル、Pヴァインがリリースした、レモンのコンプリート・シリーズの第二弾。 これ以前にも「Vol.1」がもちろんあり、そちらも「まずは必聴」の名盤であるが、個人的にはこっちの方がレモンのエッセンス(う、何か果物のレモンみたいだ)の濃厚なやつが、よりにじんでいる感じがする。あくまで微妙な差だけど、個人的にこのアルバムが、初めて買ったレモンのアルバムでもあり、「マッチ・ボックス・ブルース」「ブラック・スネイク・モーン」「ジャク・オー・ダイヤモンド」などは、何度も聴いてその都度感動し、ギターでもってコピーしようと思ってはその都度挫折した。 レモンのギター・テクニックは、これは彼が弾き語りのブルースマンとしては異例のヒットメイカーとなったことにもちなんでいるが、いわゆる「テクニシャン」と呼ばれるスタイルのシティ・ブルースマン達のような、ラグタイム中心のスタイルとも違い、また、同時期のミシシッピ・デルタ近辺、或いは同じテキサスのブルースマン達のような、コードストローク主体のプリミティヴなスタイルともまるで違う、全く独自のものなのだ。 レモンのフィールド・ハラー(南部黒人が労働の時に唄った際の独自の発声法。ブルースやゴスペル歌唱の大本となっている)がそのまま進化したような、重くスケールのデカい唄に、早い展開で自在に変化する、生き物のようなギターが絡みつき、即答するかのように単弦奏法とコード・ストロークを交互に繰り出す。この瞬間瞬間に、「レモンの世界」としか言いようのない、何ともミステリアスで、エキサイティングな異空間が生じている。 ギターの奏法は、正直かなり自由気ままだ。パッと聴きは唄に合わせて適当にフレーズが出てきている感じもしないではないが、しかしリズムや音階的な破綻を一切起こしていないところに、この巨人のズバ抜けた実力の確かさが見え隠れする。 戦後、レモンの単弦奏法は、直接の影響を受けたTボーン・ウォーカーやライトニン・ホプキンスら、テキサス周辺のブルースマン達に引き継がれ、更にその影響を受けたB.B.キングらによって、「一般的なブルース・スタイル」として、広く認識されることになった。 「唄とギターを交互に繰り出す」あのいかにもブルースらしいブルースを聴いたら「あ、これはレモンの影響から出てきたスタイルだな」と思って、ほぼ間違いない。何故なら、レモンが活躍していた時代には、まだまだブルースの単弦奏法は確立されていなかったからだ。 どうだろう。これだけ書けばレモンがどれだけ凄いブルースマンかっていうことが分かっていただけたに違いないが、もしも「興味はあっても手が出せない」ような方がいらしたら、レモンのCDなりレコードなりをちょこっとでもいいので聴いてみてください。それまで「ブルース」ってものに抱いていたイメージが、きっと良い意味で別の色に塗り替えられるかも知れません。
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