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ソフトロックという言葉はこのグループのために準備されたと言っても 過言ではないでしょう。ピート・デロ、コリン・ヘアという ブリティッシュ・フォークの偉人を輩出した今や伝説とされている グループです。本作はそんな彼らの伝説の(くどい!)デビュー作です。 そのピート・デロは、グループを作っておきながら、デビュー作の 発表時には既に脱退してしまったという、ちょっと無責任な印象も あるのですが、残されたコリン・ヘア、レイ・ケーンがそんな逆境を バネにしたかどうかは分かりませんが、ピート・デロの突然の脱退により、 ロクなものにならないのではないか、という大方の予想に反し、ソフト・ ロック史に残る素晴らしい一枚となりました。 A-1のイントロのとてつもない古めかしさからして、もうセピア色一色。 最初の一音は昭和歌謡のような、しみったれそうな危険性を秘めながらも そうならないギリギリの徳俵でこらえきった感じで、曲が進行していく ほどに英国臭がどんどん滲み出てくる、甘酸っぱくもくすんだ英国色に 見事に染め上がった驚愕の名曲だと思います。 そういう意味では昭和歌謡の場末と、くすんだ英国は似て非なるも 境界線は実は紙一重なのと新たな発見もありました。 アルバム全体を通して言える事ですが、特にこのあたりの60年代の サウンドは、初めて耳にしてもなぜか懐かしさがこみ上げてくるから 不思議です。 69年という発表年度の美味しさもあり、ブリティッシュ・ビートの面影も そこはかとなく残っているところが、まさにこの時代にしか生み出され なかったであろう一瞬の輝きを捉えた一枚と言えるでしょう。 B面はややコリン・ヘアの色が強くなり、この後の彼の名作(必携) ソロ・アルバムに相通ずるグレイトな曲のオンパレードです。 そしてプライベートで撮ったものかと思う程、自然な雰囲気なのに、 印象深いジャケットは、名盤であることを約束されたような味わい深い 仕上がりで、当時の雰囲気がそのまま伝わってきているだけでなく、 当の御本人たちは、今もこんなところでつるんでいそうな気さえします。 酒飲みながら『ロックとは!?』みたいな熱い話をするのなら、こんな 雰囲気を作ってみたいところです。
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