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「アコーディオンで演奏するブルースってどういうものなんだろう?」という素朴な疑問から本作を購入したが、その想像と実際に出てくる音とのあまりにもすさまじいギャップに、一時封印していたアルバムである。 私はファンキーなものも十分好きだが、ちょうどハタチ前後の頃というのは、戦前ブルースや弾き語りのブルースなど、素朴でトラディショナルなブルースが好き、というよりも、その類のブルースしか聴いていなかったので、実を言うとこのクリフトン・シェニエのあまりにも衝撃的なモダン・アコーディオン・ブルースに触れるには、いかんせん心の準備というものが出来てなかった。 とはいえ、一曲目で完全に面食らい、茫然自失としていた私は、2曲目で「いやぁ、コレはカッコイイよ」という気持ちがむくむくと芽生え、それが「違う、オレが求めていたのはこんなんじゃなくてもっとディープでわびさびのあるものなんだぁ!!」という気持ちと激しくぶつかり合い、そのまま3曲目、4曲目、5曲目、6曲目と聴いていくうちに何だか興奮だけが妙に高まって、7曲目にはあろうことか「あぅうをんちゅらぁ〜ぶゆべいべなぁ〜」の大合唱に合わせて、いつの間にかCDと共演していたが、「いかんいかん、これではマトモな人生を歩めない」と、身の危険を感じ、慌ててCDを取り出して棚の奥深くに封印した。クリフトン・シェニエを初めて聴いたその経験は、それほどまでに刺激的、かつ強烈な体験であったのだ。 シェニエの泥臭ファンク・ビートに、悪い意味で凝り固まっていた私の「ブルース脳」が、まったくいい具合にシャッフルされ、脳味噌の風通しは格段に良くなった。それからしばらく経ってから、このアルバムの封印を解き、彼の音を注意深く何度も聴いた。グルーヴに身を任せれば、いくらでもノることが出来、音を聴こうと思えばいくらでも心に染み込んでくるシェニエの表現力は本当に素晴らしいものだ。そのブルース・フィーリングは、アコーディオンのジャバラから吐き出される空気すら、熱を帯びているような印象を与えてしまう。 この「バイユー・ブルース」は彼の作品の中でもとりわけ熱い。ライヴなんか本当に凄かったんだろうな。見てみたかったな、と強烈に思ってしまうのだ。 さあ今日もできるだけ大きなボリュームでかけて”共演”しよう。
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