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18の時に初めてライトニンを聴いて衝撃を受けて以来、何年か置きに”ライトニンしか聴けなくなってしまう病”にかかってしまう。 そういえば20の時にまだ「モジョ・ハンド」(言わずと知れたライトニンの代表作ですネ)ぐらいしかアルバムを持ってはおらず、休日の前の日に「モジョ・ハンド」を夜通し聴いて、目が覚めたら昼過ぎでそのまま電車に乗って行動テリトリーだった吉祥寺、新宿、渋谷、池袋と、ライトニン探しの旅に出かけていた。 CDやレコードを買うカネがなくても、とにかくレコード屋さんに言ってブルースコーナーにライトニンのアルバムを見付ければとりあえずホッとするという、何だか笑えないブルースライフを満喫していたが、膨大なリリース量を誇るライトニンの作品の中には、ガイドブックにはちょくちょく出てくるものの、「滅多に店頭でお目にかかれない幻盤」というのがあった。それがコレ、「コンプリート・ゴールドスター・セッション」である。 2枚組というボリューム感と、珍しい”グラサンじゃないライトニン”が大写しになったジャケットのインパクトといい、「何かあるぞ」と思わせるに十分な貫禄を感じさせるアルバムだったが、コレがいかんせんどのお店にも置いてない。唯一生で目撃したのが吉祥寺のタワーレコードでのことで、その時は不幸にも財布に電車賃プラス¥150しか入っていなかったので、再会を約束して泣く泣く帰宅したが、結局その後接触はなく、文字通り「幻のアルバム」になりかけていたが、つい最近Pヴァインの在庫を調べてみたら「入手可」だったため、狂喜して購入したのだ(¥4725は2枚組にしては高い!しかしまだ「CD1枚¥3100は当たり前」だったころにリリースした盤なのだ。文句は言うまい。)。 中身は1947年〜50年に行われた、ライトニン二度目のレコード契約時のセッション。つまりはライトニンの貴重な初期音源集だ。 ブルースマンは戦前から戦後とキャリアをまたいでいる人も多く、その間エレキギターの普及という革命的な出来事が起きて、中にはガラリとスタイルを変えている人も多かったりするが、ライトニンは基本的に全くスタイルを変えないで長いキャリアを渡りきった人である。どんな時期の録音物であろうと、気ままにギターを掻き鳴らし、感情の赴くままに唸る”ライトニン節”は不変で、どのアルバムでもまるで自分の家で一杯引っかけながら歌ってるような、妙なリアリティがある。 だから初期音源である本作を最初に聴いて、好きで愛聴している60年代以降の音源との、あまりの”違いのなさ”に驚いて感動した。ピックアップ付きのアコースティック・ギターをデロリと鳴らし、唄うライトニンのブルースは、いつも同様ごくごく自然に、ある程度の重みを感じさせながらグッと染みてくる。曲によってはオルガンと戯れたりしているが、コレもコードを「びゃ〜」と鳴らす程度の気ままな感じでいい。 敢えて後期の作品との違いを挙げるとすれば、ギターの弾き方が幾分キッチリしていることか。丁度この時期ぐらいまでライトニンは、テキサス・アレクサンダーお付きのギタリストとして活躍していたので、テクニカルなギター・ピッカーとしての腕の良さが、特にギター・ソロの部分で聴けたりしちゃう。正直ライトニンのギターは「上手い」というより「凄い」と思うことの方が多かったりするが、このアルバムを聴くとデタラメじゃない確かなテクニックも持っていることに、改めて感服する。 ライトニンの持ち味は「ドロドロ」と「カラッ」の2つが大きな柱だが、本作はカラッとした質感が多いのも特徴だ。スロー・ブルースも乾いた淋しさが後からジワッと来てこれまた不思議な中毒性を持っているのだ。言うまでもなく大枚はたいた倍以上の愛着を、只今感じております。
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